会計トピックスの新たなシリーズ記事として「会計業界の転職成功事例」をご紹介していきます。 こちらのシリーズでは会計業界で転職を成功させた方々の事例を通して、転職までの経緯や転職先決定のポイント、決定までをサポートしたキャリアアドバイザーからの声もご紹介致します。
もっとクライアントを身近に感じたい、大手監査法人から中堅監査法人へ
Bさん、30歳/女性
転職前:大手監査法人(所員 約2000名)⇒ 転職後:中堅監査法人(所員200名)
資格:公認会計士
年収:転職前750円(残業代込み) ⇒ 転職後700万円(年俸制)■転職までの経緯
Bさんは某大手監査法人にてスタッフ職として勤務をしていました。配属は国内監査部、基本的にクライアントは上場大手企業であり、監査メンバーも5~10名程と一般的な監査スタッフの業務を担当していました。
最初は有名な企業の財務諸表監査をチームで対応してくことに新鮮さを感じ、忙しくも充実した日々を過ごしていましたが、徐々に業務がルーティン化してきたことで「本当にこの仕事は自分でなければ出来ない内容なのか?」と疑問を持つようになりました。また、クライアントとの信頼関係は構築できて来たのですが、どうしても企業と監査法人という立場的な壁を意識するようになり、業務の遣り甲斐を求めて転職を意識するようになりました。
Bさんは監査業務自体にはやりきった感がなく、「まだ監査法人で学んでいきたい、小規模なクライアントであればクライアントとの距離も近く遣り甲斐もあるのでは?」と考えていました。■転職決定のポイント
Bさんが転職先に選んだのは国内中堅規模の監査法人でした。
その監査法人は規模的には前職の1/10と小さかったのですが、その分、主たるクライアントも年商や従業員数が小規模であったため、個々の監査人がお客様と近い距離でサービス提供をしているという点に魅力を感じました。また、その監査法人は新興市場へ上場している企業を多く抱えていた為、管理体制も強化をしなければならない企業が多く、監査先の経理担当者や役員から様々な質問が寄せられるという点にも興味を持ったとのことです。
一方、受験をした監査法人は更に精度の高い監査サービスを提供していきたいという意向があり、大手監査法人出身の公認会計士を採用したいという人材ニーズも高かったことからBさんは内定を獲得することになりました。
2013年頃から、監査法人業界はクライアント獲得を強化する流れの中で積極的な人材採用を行っていました。特に準大手・中堅監査法人としては人材獲得に苦戦をしており、大手監査法人出身者の採用には非常に積極的であった時代的な背景もあります。そのような状況下でBさんは敢えて中堅監査法人を選んで面接を受けて行ったのです。
中堅監査法人はクライアントの多くが年商数億円~数十億円という小規模企業となりますので、監査メンバーも2~3名という小規模チームとなります。一人一人が幅広い勘定科目を担当し、クライアントとも密にコミュニケーションを取る必要が出てくる環境だからこそ、Bさんにとっては大変マッチした転職先となったのです。現在はBさんも業務に慣れ、小規模なクライアントであればインチャージも務めています。
今回の「会計業界の転職成功事例」はいかがでしたか? 今後もさまざまな転職の事例を定期的に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
(文/シニアコンサルタント)