【関連トピックス】
平成27年度（第65回）税理士試験結果が発表されました
今年も税理士試験の結果発表の時期がやってまいりました。
2013年度の税理士試験については、受験者数、合格者数、合格率ともに、昨年を下回る結果となりましたが、今年はどうだったのでしょうか。今回の会計トピックスでは2014年度の税理士試験結果の概要と考察についてお伝えします。
昨今の税理士試験受験者数と合格者数の推移
今年の税理士試験合格者数は昨年から約8.2％減の6,909名と大幅に減少しました。また、合格率に関しても、16.8％と過去5年間の中でもかなり低い水準となっています。
※詳しくは下記のデータにてご確認下さい。
【表1】受験者数と合格者数、合格率の推移
受験者数（名）51,46849,51048,12345,33741,031合格者数（名）
※うち5科目合格者数8,453
(999)9,067
(1,094)10,068
(1,104)8,348
(905)6,909
(910)合格率（％）16.418.320.918.416.8
| 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 |
【グラフ1】受験者数の推移 
【グラフ2】合格者数の推移 
2014年度税理士試験の受験生の年齢層から見る傾向
今年の試験結果を見ると、税理士試験の受験者数が最も多かったのは41歳以上（11,449名）であり、最も少なかったのは例年通り25歳以下の若年層でした（5,547名）。因みに、下記【表2】で記載した年齢層のうち、41歳以上の年齢層を除いた各年齢層における税理士試験の受験者数は、昨年と比べて各々1000名前後の減少となっています。また、合格者数に関しては26～30歳の層が最も多く1,654名となり、次いで25歳以下の層が1,603名となっています。
最後に合格率に関してですが、最も高かったのは25歳以下の若年層となっており、その合格率は28.9％と前年と比べても大きな変動はありませんでした。
【表2】 年齢層別の受験者数、合格者数、合格率
年齢別41歳以上11,4491,1359.936～40歳7,4601,05014.131～35歳8,5701,46717.126～30歳8,0051,65420.725歳以下5,5471,60328.9合計41,0316,90916.8
| 年齢層 | 受験者数 | 合格数 | 合格率 |
2014年度税理士試験の科目ごとの合格率
税理士試験の科目ごとの合格率に関しては、簿記論、相続税法、事業税を含む6科目が合格率を高める結果となり、一方で財務諸表論、所得税法、住民税を含む5科目の合格率は低下する結果となりました。また、試験後に「難しすぎる」と話題になった簿記論と法人税法に関しては、意外にも大きな変動は見られませんでした。
【表3】科目ごとの合格率（昨年対比）
簿記論12.213.2財務諸表論22.418.4所得税法14.813.2法人税法12.412.4相続税法11.712.9消費税法11.810.3酒税法11.813.0国税徴収法12.913.2住民税12.28.7事業税1213.5固定資産税13.714.8合計14.813.8
| 科目 | 25年度合格率 | 26年度合格率 |
2014年度税理士試験結果を受けての考察
税理士試験の受験者数はこの5年間で約10,000人も減少をしており、合格率に関しても、過去5年間の中で特に低い水準まで落ち込んでいます。また、上記の傾向を受けて合格者数も減少している状況ですので、今度の試験受験者や合格者数の推移に関しては注視していきたいところです。
一方、税理士の就職・転職市場に目を向けてみると、業界全体で税理士不足が顕在化してきています。特に好景気になればなるほど、一般事業会社と税理士事務所業界の人材流動化が活発になる傾向があり、現在は即戦力の税理士が企業に転職をするケースが増えているようです。
会計事務所業界では今までよりも更に税理士や科目合格者の採用ニーズが増すのではないかと考えられます。
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（文／シニアコンサルタント）
