公認会計士|業界の最新動向

公認会計士業界 最新動向

公認会計士業界 最新動向

公認会計士を取り巻く環境は日々変化しています。2003~2007年頃まではIPO支援やJ-SOX関連が旬なサービスであり、2006年に導入された会計士試験の新試験制度により、試験合格者も増え、より一層盛り上がりを見せるかに思えた矢先に、2008年のリーマンショックによって監査法人の業績は悪化。公認会計士試験合格者の供給過多により、就職氷河期を迎えました。その後、金融庁が公認会計士試験の合格者数を絞ることで、合格率は再び下がったものの、人材の需給バランスは安定し、また、アベノミクスをはじめとする政策が奏功したこともあり、日本経済も回復傾向を見せ、再び公認会計士の人材ニーズは高まりました。

ここ数年の傾向としては、2024年現在に至るまで、公認会計士のニーズは高止まりを続けており、Big4をはじめとする大手監査法人であっても、公認会計士の人員確保に苦戦しています。ではなぜこのような状況に陥っているのでしょうか。まずは、単純に監査業務の複雑化が背景にあるでしょう。金融庁が監査法人に求める監査のクオリティが高まり続けていることから、以前と比べて1業務あたりにかかる工数が増えたことで、同じ業務に対して以前よりも多くの人員が必要となっているのです。
次に、一般企業での公認会計士ニーズの高まりがあると言えます。J-SOXの導入、IFRSへの対応、海外進出や海外連結対応などを中心に公認会計士は一般企業で、これまでも活躍しておりましたが、近年では上場・大手企業は、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の厳格性を求められる傾向にあり、公認会計士をはじめとした、高い知識や専門性を持ち合わせた人材のニーズが以前にもまして高まっていることから、一般企業に転職し、インハウス会計士として活躍する人材が増えた点が挙げられます。
また、大手に限らずベンチャー・スタートアップ企業においても、IPOを目指す会社では、上場基準に耐えうる体制構築のために、公認会計士を求めている企業も多く、幅広く士業からのニーズがあります。また、事業会社のみにとどまらず、FAS等の会計系コンサルティングファームや、税理士法人等からの需要も安定しています。

上記のような公認会計士の人員不足を受けて、大手監査法人でも収益構造が変わりつつある傾向です。具体的にはBig4監査法人であれば、非監査業務にも力を入れています。PwCあらた有限責任監査法人(現、PwC Japan 有限責任監査法人)では監査業務と非監査業務の売上高がほとんど同等であり、有限責任監査法人トーマツにおいては監査業務よりも非監査業務の売上高が高くなっているほど、大手でも主力事業になっているのです。

これからも世の中は変化し続けますし、コロナ禍に入ったばかりの2020年台は大手監査法人や事業会社でも求人を止めたところも多かったので、一概に売り手市場が続くとは明言できませんが、現状の市場環境が続く限りは、公認会計士は非常に幅広い選択肢の中から、転職先を選ぶことができる状況にあるといえるでしょう。

ページの先頭へ

業界動向
転職・求人情報
個別転職相談会・セミナー
カイケイ・ファンについて

プライバシーマーク