アメリカの健康専門ニュースサイトHealth.comの調査によると、うつ病のリスクが高い職業ワースト10は、以下の通りになりました。
1位:介護や保育の仕事
2位:飲食店スタッフ
3位:ソーシャルワーカー
4位:医療関係者
5位:芸術家、芸能人、ライター
6位:教師
7位:秘書業
8位:整備業
9位:ファイナンシャル・アドバイザー、会計士/税理士
10位:セールス業
「会計士/税理士」が何と9位にランクインしており、アメリカのデータではあるものの、納得される会計士・税理士の方々も意外といるのではないでしょうか。
日本で精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、2011年は320万人でした。日本におけるうつ病性障害の疾病費用は3兆901億円(2008年)と推定され、このうち2兆円超が就業者の生産性低下による損失と非就業による損失とされており、政府は2015年12月に企業のストレスチェックの導入義務化法が施行予定で、注目が集まっています。
メンタルヘルスケアというと、税務・会計・監査のサービスからはかけ離れた印象を受けますが、労務・人事サービスも提供する会計事務所にとっては、うつ病は労災対象のリスクともなり、クライアントへの新たなサービス提供の機会となっています。そこで今回は、メンタルヘルスケアをサービスに取り入れている会計事務所をご紹介したいと思います。
九段会計事務所のメンタル相談サービス
税理士法人 九段会計事務所(本社:東京都千代田区)は、クライアントの社員を対象にメールによるメンタル相談サービスを提供しています。経験豊かなこころ(心理)の専門カウンセラーがメールにて相談者の状態を聞き、今どのような専門機関に相談すればよいか、これ以上悪化させないためにどのような対策が必要かといった質問に具体的に回答するというものです。
メンタルヘルス対策は、通常法人あたり20万~30万円のコストがかかるといわれますが、九段会計事務所のメンタルケアサービスは、基本料金以外は、実際の利用分のみの請求となるため、低価格化が実現し、他社と差別化を図っています。
マイツグループの健康予防管理支援サービス
マイツグループ(本社:京都市下京区)は、中国へ進出する日本企業の総合支援だけでなく、進出後の駐在員および家族への「健康予防管理支援サービス」の一環として、心理カウンセリングや健康サポートを提供しています。
慣れない異国の地で、生活への不安や仕事上のストレスがあった際の電話相談や、病気やケガで病院にかかった時などに、日本語の流暢なドクターの派遣、入院時の付き添い、日本食の手配などを提供します。このほかにも、病状・検診結果に合わせて、特別健康予防管理案を作成し、健康問題を解決し日常生活から健康面を管理サポートし、既存の日系企業向け医療サポート会社にないワンストップサービスを提供しています。
企業が従業員のメンタルヘルスケアに取り組むことの重要性を解説する会計事務所は多くありますが、メンタルヘルスケアサービス自体を提供する会計事務所は、まだそれほど多くありません。諸外国と比較しても、こころの病気を持つ日本人の数は多い一方で、サポート制度の整備は進んでいないことから、この分野にはビジネスチャンスが潜んでいるともいえます。より多くの会計士・税理士たちが、病んだこころを救うお手伝いをする日も近いのかもしれません。
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