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【コラム】増加する米国の大麻ビジネス!? しかし連邦税法では…

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【コラム】増加する米国の大麻ビジネス!? しかし連邦税法では…

米国では最近、大麻の使用を認める州が増えています。米国の23州では、すでに医療用の大麻は合法化され、一部の州では嗜好品としての使用も許可されました。大麻は、痛みの緩和や睡眠導入、食欲増進のほかにも、不安や精神的なショックを和らげる効果があるともいわれ、鎮痛薬や吐き気止め、気管支拡張薬、抗炎症薬としての利用も期待されています。今回は、大麻がビジネスの対象となった際の米国での課税制度について取り上げてみたいと思います。

大麻の効果

日本では、大麻は麻薬としてのイメージが強く、使用した人は逮捕されることから、良い印象を持っている人は少ないかもしれません。一般的には、吸引すると、笑いが止まらなくなったり、じっと一点を見つめたり、ふと記憶をなくしたりする症状が見られます。大麻の過剰摂取で死亡した例もあります。また、強力な作用があり、常習的に使用すると身体に有害となる可能性があるといわれています。

連邦税法280E項

米国では、嗜好大麻の使用も広がりつつあることから、今後大麻ビジネスが増えてくると予想される一方で、税法上の障害があります。それが連邦税法280E項です。

連邦税法280E項では、大麻ビジネスにおける費用の控除を禁じています。通常なら、法人税は費用を差し引いた課税所得に税金がかかってきますが、大麻ビジネスは人件費や広告費といった、いかなる事業支出も、販売事業に関しては規制薬物の不正取引だとみなされるため、一切の控除が受けられません。

計算例を挙げてみます。売上が100万ドル、費用が70万ドル、税前利益が30万ドル、法人税率を30%とします。通常では税前利益30万ドルの30%、9万ドルが法人税となり、税引後利益は21万ドルですが、大麻ビジネスは100万ドルに対し課税されるため、実に30万ドルが税金となり、税引後利益はゼロとなってしまうのです。(ただし、栽培に関しては農業とみなされるため、いくらかの控除を受けることができます)計算例では大麻ビジネスの実効税率は100%でしたが、実際でも60%は超えるといわれています。

今後の大麻ビジネスは

コロラド州に拠点を置く業界団体「Cannabis Business Alliance」の常務取締役Meg Collins氏は、米雑誌「Inc.」のインタビューで、5年後の大麻産業について次のように語っています。「大麻産業は州の良い収入源となっているため、今後はもっと当たり前の普通の産業になると予測しています。厳しい法規制についても、今後も続くことが予測されますが、この厳しい規制こそが、大麻産業をより良識的なものにするでしょう」

また同氏は、「大麻産業は発展し、いずれは、連邦レベル、最低でも州レベルでは、銀行との通常取引が可能になると予測しています。医療大麻の有効性に関する研究も積み上げられ、競争が激しくなるものの、チャンスのある世界なので、とても魅力的です」と、今後の大麻ビジネスの未来は明るいと語っています。

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