これから税理士試験を受ける方、そして試験後に会計事務所に就職したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。さて、この税理士試験後の就職市場ですが、現在は若手のポテンシャル人材が採用市場から減少傾向にあり“売り手側に有利な市場”になっています。また、現在のような売り手市場では内定が出やすくなりますので、その場で出た内定を二つ返事で受諾するというスピード就職も珍しくありません。 そして、残念ながら安易に就職先を決めてしまった方の中には、その決断を後悔する方も少なくはないのです。
(例:入社した事務所がブラックだった。イメージしていた仕事と違う。人間関係・環境に馴染めない等)
会計事務所を見分ける上で、絶対に確認すべきポイントは3点あります。
今回の記事では、上記3つのポイントを踏まえて、会計事務所への就職をする際に一体何に気をつけて就職活動をするべきなのかお伝えしたいと思います。ブラック会計事務所を見抜く際にも役立ちますので、ぜひ覚えておいてください。それでは、ポイントの中身を詳しく見ていきましょう。
なぜ、所長の経歴が重要なのか?
1つ目は「所長の経歴」です。
会計事務所は外見では違いが分かりませんが、実は所長の経歴を知ると“事務所のレベル感”や“事務所の得意分野”を知ることが出来ます。 例えば、BIG4税理士法人で上場企業や外資系企業を中心に対応してこられた先生と、資産税特化型の会計事務所で勤務をされてきた先生のキャリアは全く違います。また、個人事務所で中小企業の決算対応・税務申告を行ってきた先生と、経営計画策定や資金繰りサポート、事業再生などのコンサルティング業務を行ってきた先生のキャリアも異なります。 そして、上記のような税理士が開業した場合は、やはり所長の得意とする分野で収益を稼ごうとするため、所長の経歴が会計事務所の提供するサービスにも大きく反映されるのです。
≪ポイント≫所長の経歴は、事務所のサービスへ色濃く反映されています!
なぜ、メインの顧客層を把握する必要があるのか?
2つ目は「メインの顧客層」です。
事務所ごとに“メインの顧客層”を把握することが大切です。と言うのも、多くの会計事務所において、最も重要度が高い顧問先や難易度の高いスポット案件は所長自身が対応をしている可能性が高いため、スタッフ(職員)は上記のような重要顧客ではなく、事務所内で一般的な顧問先を振り当てられるケースが多いのです。つまり、所長の経歴上「〇〇業務を得意としてきた」と言っても、スタッフが日々担当する仕事がそれと合致するとは限らないのです。だからこそ、事務所のメインとなる顧客層に関しては必ず確認するようにして下さい。
≪ポイント≫事務所のメインとなる顧客層は、あなたが今後担当するクライアントのイメージです!
なぜ、業務分配率を確認する必要があるのか?
3つ目は「業務分配率」です。
実は業務分配率は、今回のトピックスで最も重要なポイントではないかと思います。 何故ならば、会計事務所において法人や個人の顧問先を何件担当するかで、あなた自身の稼働量が大きく変わってしまうからです。例えば、中小企業の税務顧問案件を年20件程担当するのと、30件担当するのとでは日々の作業量や申告時期の忙しさに大きな差が生じるはずです。また、売上の大きな顧問先を一人で完結するのと、チームで業務分担して対応するのとでも作業量に差が出ます。加えて、相続やM&A、組織再編等のスポット案件を年間でどの程度対応するかでも、年間を通じた労働時間に差が出ることになりますので、会計事務所での面接では、年間での担当件数(法人・個人)やスポット案件の対応予定件数なども必ず確認するようにして下さい。
≪ポイント≫ 業務分配率を確認すると、あなたの労働時間をシミュレーションすることが可能になります!
今後、会計事務所での就業を検討されている方にとって、どのような環境で基礎を学ぶかは非常に重要なことです。だからこそ、就業先を自分自身の目で判断し、間違いのない就職先を見つけ出して頂ければと思います。その際に今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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(文/シニアコンサルタント)