今年10月からすべての国民に付与されるマイナンバー。企業は制度スタートに備え、従業員の番号の利用・管理に関して対応を急いでいます。しかし、実際に何をしたらよいのか、ということについては不明点が多いもの。このほど、その企業の戸惑いが表れた調査結果が公表されました。
マイナンバー制度の認知は進むが内容は理解していない現状
帝国データバンクが4月に実施した「マイナンバー制度に対する企業の意識調査」は、マイナンバー制度に対する認知についてアンケートしたもの。全国 2 万 3211 社を調査対象とし、1 万720 社の有効回答を得ました。
調査結果によると、マイナンバーの認知について「内容も含めて知っている」とした企業は43.5%。「言葉だけ知っている」企業が52.4%、「知らなかった」は2.3%でした。企業の9割超はマイナンバーについての認識があるものの、内容について十分な理解がない状態であることが示されています。
また、より深刻なのは法人番号制度。「内容も含めて知っている」は20.7%。「言葉だけ知っている」が37.7%、「知らなかった」が37.7%と、制度の周知が十分に進んでいないことが示されています。
マイナンバー制度に関する対応、完了した企業は1%をきる
そして、マイナンバーに関する自社における対応状況については以下のような調査結果となりました。
「対応は完了した」 0.4%
「対応中」 18.7%
「予定はあるが、何もしていない」 62.0%
そして、マイナンバー制度への対応の具体的内容(複数回答)は
「給与システム(源泉徴収票等)の更新」 49.9%
「社会保障関係書類(社会保険、健康保険等)の更新」 30.9%
「基本方針・取扱規程等の策定」 30.4%
「情報セキュリティの整備(情報漏洩防止等)」 26.2%
となっています。
問題が起こってからでは遅いセキュリティ対応
上記の対応内容のうち、上位の源泉徴収票、社会保険料の手続きにおけるナンバーの記載等の方法については、制度がスタートすればいずれ行わなければならないこと。税務・社会保障当局にとっても制度の根幹であるため、サポートをしてくれるはずです。しかし、「セキュリティ」については、えてして、問題が起こってから重要性に気づくことになりがちです。
マイナンバーへの対応について顧問先企業へのアドバイスが期待されています。しかし、これには若干心もとなさを感じます。
私の周りの税理士に話を聞くと、税務書類のマイナンバーの記載等々については、数をこなすうちに、結局慣れるものなので、それほど心配していない人が多い印象。しかし、顧客の番号を管理することになる事務所のセキュリティに関しては不安の声を聞きます。重大な問題が発生する前に、まずは自らの足元をしっかり固めることが必要でしょう。
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