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【会計士Xの裏帳簿】年金未納者は最後のチャンス? 「後納」保険料による節税

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【会計士Xの裏帳簿】年金未納者は最後のチャンス? 「後納」保険料による節税

先日、普段税務の相談に応じている個人事業主の方から、所得税の社会保険料控除に関して質問を受けました。その内容は、時効により未納となっていた国民年金の保険料を「後納」によって納めた場合の税務処理についてです。

時効となった保険料をまとめて納める

その個人事業主は、サラリーマンをやめて事業を開始した後、苦労を重ねながら、なんとか経営を軌道に乗せ、現在は法人化も視野に入れるほどになりました。しかし、ずっと心にひっかかっていたのが、国民年金保険料の未納でした。

その方は独立後、極度のキャッシュ不足に陥り、国民年金保険料を納められなくなりました。収入が安定してからは、毎月の保険料はもちろん、過去の保険料も納めましたが、2年の時効を過ぎた保険料は未納のままでした。最近、「後納」の制度を知り、時効分も遡って納めることにしました。

後納は、平成24年10月から平成27年9月までの3年間に限り、過去10年分まで国民年金保険料を納めることができる制度です。制度を利用することで、将来受け取る年金額を増やすことができます。また、納付した期間が短かった場合、後納を行うことで年金受給資格を得られるようになることもあります。

社会保険料控除の適用で税のメリットも

めでたく後納の手続きを済ませたその方は、長年のわだかまりが解消されスッキリした様子でした。そして、今度は税金について新たな疑問が出ました。「後納制度で納めた保険料についても社会保険料控除を受けることができるのか」ということです。

結論をいうと、後納した保険料も、全額社会保険料控除を受けることができます。送付される証明書では、後納分を含めた金額が記載されることになります。年金受給額だけではなく、所得控除の「副産物」もしっかりと得ることができるのです。

年金の保険料を納めることは法律上の義務のため、「節税」という言葉を使うのはいかがなものかという意見もあるでしょうが、それはそれとして、収入が増えている時期に保険料を納められることは、所得額の面からも大きなメリットです。

後納制度は、期限延長の法案提出の動きもありましたが見送られ、当初の予定通り今年の9月でひとまず終了します。様々な事情で国民年金保険料の未納期間がある人にとって、9月は最後のチャンスとなります。納付記録を今一度確認して、該当期間がある場合は後納制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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