前回は、独立前に意識していたことを紹介しました。独立したら、自分で仕事を作らなければならず、その際に重要になる「営業力」は、すべて「人とのご縁」から成り立っています。今回は「人とのご縁」がいかに重要かについて、説明していきましょう。
どうやって人との信頼関係を築くか?
仕事をしていく上で、人とのご縁は本当に大事です。最も大切なことだと言っても過言ではないでしょう。たとえいくら専門家として超人的な知識や実績があったとしても、人とのご縁がなければ仕事はやってきません。
人とのご縁=人脈のつくり方は人それぞれですが、まず前提となるのは「信頼できる人」という自分のブランドを作ることです。
では、どうすれば信頼を得られるでしょうか? なにかすごい仕事をしなければいけないのではないか、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。なにも凄いことをしなくても大丈夫です。なぜなら、当たり前のことを当たり前にすることこそ、信頼関係の構築には最も重要なことだからです。
私が仕事をしていて驚いたのが、あるクライアントから「江黒さんはいつも時間ぴったりにお越しいただきますね。以前の会計士の先生は5~10分遅れて来るのが当たり前だったので、時間通りに来ていただけることに驚きました」と言われたことです。
相手と約束した時間どおりに現場に行くのは、本来当たり前のことのはずですが、仕事を「依頼される」側に立つ会計士の立場では、なぜかできなくなってしまう人いるようです。
どうしても万が一遅刻してしまいかねないという時には、必ず事前に連絡しましょう。「5~10分ぐらいなら遅れても大丈夫」と考えている人もいるようですが、それは相手に対してとんでもなく失礼なことです。
信頼を得るには、当たり前のことをきちんとすること、中でも、まずは「時間を厳格に守る」ことから意識していきましょう。
まずは目の前の仕事に全力を注ぐ
仕事への熱意や情熱は必ず周りの人に伝わります。熱意や情熱がきちんと伝われば、周囲から一目置かれる存在になり、仕事の相談も増えていきます。これはあなたの信頼度につながり、人脈づくりの礎となるのです。
「人脈」は、その人の「ブランド」でもあります。ブランドができれば、独立しても転職しても仕事に困ることはありません。
今まで、多くの方から転職相談や独立相談をいただいてきましたが、中には、単に今の環境から逃げたい、という理由で転職や独立を考えている方もいました。
正直に言うと、そのような考えでは転職しても独立してもうまくいかないでしょう。
今の職場から逃げるために転職しても、いつまた同じような状態に陥ってしまうか分かりません。転職することで本来の問題から逃げる癖がついてしまうと、次に同じ課題に直面したときに、また「逃げる」ことになりかねません。
これでは根本的な解決にはなりません。
そうならないためにも、まずは今の問題から逃げるのではなく、目の前の仕事に真剣に取り組んでください。問題に直面したら、その問題の解決のために主体的に行動しましょう。熱意が伝われば、周囲の人もあなたのために動いてくれるようになるはずです。
私自身、独立する前には、自分から積極的に交流会やセミナーを開催したり、経営者の集まる会合に出かけて顔を覚えてもらったり、ブログを書いて情報発信をしたりと多くのことに挑戦していました。
当時は、所属していた事務所をどうやったら大きくできるか、という考えから実践していたことですが、結果としてこのすべてが人脈づくりにつながり、独立した今でもお世話になっているのです。
独立や転職を決心したら、まず期限を定め、目の前の仕事に全力を注ぎ、人とのご縁を大切にしながら、自分自身の名前を磨くことを覚えておいてください。
次回のコラム
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(7) 公認会計士が独立してやっていくために(前編)
過去のコラム一覧
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(5) 独立開業はいつ、どうやって?
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(1) なぜ公認会計士を目指したのか?
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(2) 公認会計士試験合格後のキャリア選択は?
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(3) 大手監査法人からの転職キャリアは?
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(4) なぜ転職先に中小事務所を選んだのか
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(文/江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史、記事提供/株式会社エスタイル)