先日、平成27年度の公認会計士試験の合格発表がありました。今年の合格者は1,051名。まずは合格された皆さん、本当におめでとうございます!!
以前にもコラムで試験結果速報をお伝えしましたが、今回のコラムでは今年度の公認会計士試験合格者の詳細について解説したいと思います。
平成27年度の合格率は10.3%
まず平成27年度の試験結果を公表資料に基づき見てみましょう。
多くの方が関心を持たれているであろう合格率は10.3%となっています。
では、ここ5年間の合格率はどう推移してきたのでしょうか。
ここ数年は上昇傾向にありますよね。
リーマン・ショック以後、採用が厳しくなった監査法人業界も、近年は採用ラッシュで、合格者にとっては売り手市場となっております。
IPOの増加やIFRS任意適用会社の増加に加え、上場企業における組織内会計士やベンチャー企業CFOなど、公認会計士の活躍の場は非常に増えていると言えます。
受験生が減少傾向にあるといわれている今、試験合格を目指すチャンスなのかもしれません。
他にも気になるデータをいくつか紹介していきます。
最高年齢は何歳? 最低年齢は? 男女比は?
次は今年の試験結果について、多方面から見ていきましょう。
■合格者の年齢
・最高年齢は67歳
・最低年齢は19歳
最高年齢はなんと67歳!! これは驚きですね。67歳で現役バリバリの公認会計士の先生は何人も存じていますが、7科目分もの試験勉強をして、3日間の試験を乗りきり合格してしまうとは、本当に素晴らしいと思います。
なお平均年齢は27.1歳ということでした。
■合格者の男女比
何かと聞かれる「女性の会計士の割合ってどれくらいですか?」というご質問。平成27年度の合格者を見てみると、
・男性:844人
・女性:207人
となっています。
合格者に占める女性の割合は19.7%と約2割となっており、この比率は私が公認会計士試験に合格した頃からあまり変わっていません。
女性の場合は結婚や出産のことまで考えて職業選択をする、と言われますが、公認会計士は結婚しても出産しても働きやすい仕事なのは間違いありません。
私のまわりでも、活躍している女性会計士は沢山いらっしゃいます。ぜひもっと多くの女性に、公認会計士を目指してほしいと思います。
■合格者の職業
さて、これまたよく聞かれるのが「働きながらでも合格できますか?」というご質問。正直、私のまわりで「働きながら合格しました!」という人は少数です。
実際のところはどうなのでしょう。平成27年度の合格者を見てみると、
・「学生」「専修学校・各種学校受講生」 718人(68.3%)
・「社会人」 188人(17.9%)
となっております。
やはり、学生や会計の専門学校生が多く、働きながら合格される方は少ない印象です。
試験制度も変わって、短答式試験が2回となったり科目合格制度ができたりと、以前より合格しやすい環境ができつつあるのですが、総体的に合格点を獲得しなければならないので、試験勉強時間を確保しにくい社会人の合格者は、やはり少なくなります。
とはいえ、仕事をしながら合格された方がいるのも事実です。
これらのデータを参考として踏まえつつ、自分の描くキャリアに向かって進むようにしましょう。
(文/江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史、記事提供/株式会社エスタイル)
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