米国時間の2月28日に、第88回アカデミー賞の発表がありました。レオナルド・ディカプリオが、5度目のノミネートにして悲願の主演男優賞を「レヴェナント 蘇えりし者」で受賞し、日本でもニュースで大きく取り上げられたので、ご存じの方も多いと思います。
米国の会計専門誌「Journal of Accountancy」は、アカデミー賞のシーズンにちなんで「会計士を元気づけるハリウッド映画5選」との題で、会計のプロフェッショナルの視点から見どころを紹介しています。今回はその中からさらに選りすぐったハリウッド映画3本をご紹介したいと思います。
シンドラーのリスト(1993年)
「シンドラーのリスト」は、第66回アカデミー賞の7部門で受賞し、ホロコーストに関する代表的な映画としても知られています。ドイツ人実業家オスカー・シンドラーと、彼の右腕、ユダヤ人会計士のイザック・シュターンが、シンドラーが経営する工場に女性や子どもを含む、約1,200人のポーランド系ユダヤ人を働き手として送り込むことで、絶滅収容所行きを阻止し、多くの命を救った実話をもとにした映画です。
ゴンザガ大学会計学部のサラ・カーン准教授は、映画中の名言として、シンドラーがシュターンに言った「人生には3人の人間が必要だ。名医、慈悲深い神父、そして有能な会計士だが、最初の2人は会計士ほど必要がなかった」を挙げています。実際、多くの会計士・税理士が「シンドラーのリスト」が好きな理由に、この名言を挙げているようです。
ショーシャンクの空に(1994年)
「ショーシャンクの空に」は、第67回アカデミー賞で7部門にノミネートされた作品です。妻とその不倫相手を射殺した罪で、終身刑を宣告された有能な銀行家アンディ・デュフレーンが、収監されたショーシャンク刑務所内で刑務官たちの資産運用や税務管理、そして刑務所長の裏金を管理する会計係を務めることになり、その人間関係を通じて、希望を捨てずに生き抜いていくアンディの姿を描き、同時に刑事司法制度の抱える問題点にも鋭く切り込んでいく作品です。
ノートルダム大学会計学部のケン・ミラーニ教授は、この映画の見どころについて「アンディの演じる会計係は、ルールを遵守するいわゆる普通の会計担当の役ではない点」と、「情報がもたらす力と、情報がいかに善と悪の両方向に操作するかという点」とコメントしています。
ウォール街(1987年)
「ウォール街」は、ニューヨーク・ウォール街を舞台に、インサイダー取引で一攫千金を狙う男たちの世界を描いた作品です。チャンスを逃したくない証券会社のサラリーマンのバド・フォックスは、インサイダー取引に及び、かねての憧れだった投資家ゴードン・ゲッコーとともに大金を手にしましたが、同時に人間関係が崩壊していく模様も描いています。貧困から巨万の富を築いた強欲な投資家ゲッコーを演じたマイケル・ダグラスは第60回アカデミー賞で主演男優賞を受賞しています。
公認会計士でジョーンズボロ人工装具・矯正器具研究所CFO(最高財務責任者)のジョセフ・ルガー氏は「会計に携わる者として、私たちは誰でもキャリアのある一時点で、良い側にい続けるか、近道をして悪い側に行くかという試練に直面するものです」と述べたうえで、「あらためて良いこと、悪いこと、そして盲目の野心がもたらす愚劣さについて考えさせられる映画」とコメントしています。
いかがでしたか? どれもDVDなどで気軽に観ることができる映画ですので、まだご覧になっていない方はぜひお手に取ってみて下さい。既にご覧になった方も再度、会計プロフェッショナルたちがコメントした点にフォーカスして観るのも面白いと思います。
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