会計業界において、転職はキャリア形成上のターニングポイントです。「スキルアップ」「ワークライフバランスの確保」「年収アップ」等、様々な動機・背景や希望があり、毎年多くの方が転職活動をされています。一方で、残念ながら希望通りの転職にならなかった方も多いのが会計業界。今回の会計トピックスでは、あえて転職失敗事例をご紹介し、転職活動の留意点などもご案内が出来ればと思います。
退職者の仕事も丸抱え、業務過多になった結果激務に
【今回の失敗者】
Yさん、34歳/男性、税理士試験2科目合格 (簿記論 財務諸表論)
税理士試験2科目合格(会計科目)をしているYさんは、残りの税法2科目を大学院で免除予定。
且つ、残りの1科目は自力で合格するべく、試験勉強に重きを置いた転職活動を行っていました。
そして、縁あって入社した会計事務所で事件は起こったのです。「うちは残業が少ないから。」と言われて安心して入社した会計事務所。そこで一体何があったのでしょうか?
残業が少ない会計事務所に入ったはずが…
上記のようにYさんは税理士試験の勉強が出来る環境を優先して転職先を探していました。
因みに、Yさんは税理士試験の簿記論と財務諸表論に合格しており、会計事務所での実務経験もお持ちだったため、転職活動は順調に進んだそうです。そんな中、自宅からも近く残業も少ない会計事務所から内定を頂けたとのこと。面接の場面でも「うちは残業が少ないから」という説明を受け、そのオファーを快諾したようです。
最初は良かったが、退職者が出たことで体制が一変
Yさんが入社した会計事務所の働き方は、入社当初は説明通りだったそうです。ですが、繁忙期後のある日、先輩社員が退社することを知らされてから状況は一変します。
退社する先輩は法人で20件程、個人の顧客も数件あり、その半数をYさんが引き継ぐことになってしまったのです。それからというもの、Yさんの顧問先件数は法人で35件以上、個人でも10件以上となり、なかなか残業から解放されない日々が続きます。また、通学をし始めた大学院も平日の授業には出られなくなり、当初希望していた実務と勉強の両立は難しくなってしまったのでした。
入社する前に“求人の募集背景”を調べておけば良かった…
Yさんのように仕事と試験勉強を両立させたいという方も多いはず。
面接の場面で「試験勉強に理解があるか」「残業時間はどの程度想定しておけば良いか」と確認している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方で、多くの方が面接時に確認できていないことがあります。それが求人の“募集背景”です。求人には欠員募集と増員募集の2パターンが存在しますので、面接の際にはどのような背景で人材募集をしているのか確認してみて下さい。今回のケースは残念ながら退職者が決まっている欠員募集のパターンだったようですね。欠員募集の場合は、退職者の仕事を残った社員で分担することになります。そういった先の見通しまで分かった上で入社するかを決めるとミスマッチは防げるのではないかと思います。
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(文/シニアコンサルタント)