「簿記や会計の知識を使って働きたい!」という方にとって、会計事務所は現実的な就職・転職先になることでしょう。一方で「興味はあるが、どのような仕事なのかイメージが湧かない」という方も意外と多いようです。そこで今回の会計トピックスでは、会計事務所の業務を理解するために、その初級編として会計事務所での基本業務について解説させて頂きたいと思います。
会計事務所の基本業務にはパターンがある
下記フローにもあるように会計事務所の基本業務にはパターンがあります。それは、記帳代行⇒月次巡回⇒税務申告という流れです。一般的な会計事務所の場合、主な顧客は中小企業です。また、中小企業の多くは自社で経理部門を持っていない場合が多く、帳簿の付け方や決算の方法なども分かっていません。そこで、会計事務所は毎月の経理代行をしているのです。因みに、毎月の決算データや経営指標などをまとめ、顧問先にお持ちして説明することを月次巡回業務と呼びます。また、月次巡回の場では経営者や経理担当者と経営に関する話し合いをしていきますので、様々な質問や相談事項が出てきます。
例えば「銀行から融資を受けるにはどうしたら良い?」という前向きな質問もあれば「社員が辞めてしまい困っている」「売り上げが伸びない…」という切実な悩みを聞くこともあります。業績好調な会社であれば「利益が出過ぎているので節税できる方法が知りたい」という話もあるでしょうし、担当者が勉強家な場合「事業を進める上でA案とB案があるが、どちらが自社にとって税金面のメリットがありそうか?」など具体的な質問が出てくることもあります。そういった諸々の質問・相談への対応を会計事務所の職員は日々行っているのです。
会計知識以上に求められるのが“人間性”
会計事務所業界はあくまでサービス業です。経理職は自社の決算を締めることがメインミッションですが、会計事務所の場合は顧客の経営を支えることが一番のミッションなのです。だからこそ「自分自身がお客様の経営を支えるコンサルタントである」という意識を持っている方にとって会計事務所は向いているでしょう。
まとめ
今回のトピックスでは会計事務所の基本業務について解説をさせて頂きましたが、如何でしたか。幾つか専門用語も出てきましたが、一番のポイントは「会計事務所はお客様の経営を支援するサービス業」であるということです。
お客様の経営をサポートするために日々の会計処理を手伝い、経営者が正しく経営判断できるように決算や資金繰りなどのデータをまとめているのです。
また、経営者にとって税金の存在は非常に大きなものです。何か新しいことをやろうとした際に、必ず税金の問題が浮上するからです。例えば、M&Aや組織再編などの分野でも、実際のビジネスと税制上のベストシナリオは異なることが多く、経営者は全体の最適解を探すのに苦労しています。そういった際に、税理士は税法という武器を使って、お客様に対してベストな解をもたらせるように知恵を絞って助言をしているのです。
そのように考えると、会計事務所の仕事は“経営支援の仕事”だと言えますね。
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(文/シニアコンサルタント)