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新卒採用、中途採用ともに活況な監査法人業界ですが、このトレンドはいつまで続くのでしょうか。今回の会計トピックスでは、2017年の監査法人がどのような採用スタンスなのか、どのような方々が採用対象となり得るのか等、現実的な視点で情報提供させて頂きたいと思います。
2017年、監査法人の採用市場は引き続き好調!
2016年、各監査法人が挙って新規公認会計士試験合格者、中途の公認会計士資格保有者、USCPA試験合格者などを採用してきましたが、実際は採用計画通りにいっていない監査法人も多いようです。一方で、景況感としては良好な状態が続いており、会計監査の契約に加えて各種アドバイザリー案件の獲得にも各法人が乗り出していることで、法人内の人材不足感は増していると言って過言ではありません。従って、2017年は昨年以上に採用基準の引き下げが起こることが予測されます。
Big4監査法人の採用トレンド (概況)
2017年もBig4監査法人の採用市場は、ずばり好調と言えるでしょう。
特に各監査法人ともにアドバイザリー案件の増加が顕著であり、IPO支援、IFRS導入支援、コンプライアンス順守やガバナンス強化、海外進出支援、金融機関向け規制対応支援、その他、買収案件の財務調査など“非監査業務”の強化をしている印象です。
また、そういった流れの中で日本の公認会計士以外にもUSCPAやCISA(公認内部監査人)、英国勅許公認会計士など各種資格保有者の採用も盛んになっている印象です。
また、企業のIT統制関連を専門に扱うシステム監査部門でも人材不足が顕在化しているようで、CISA(公認情報システム監査人)保有者や企業のシステム部門にいた方なども対象となっています。※銀行や保険会社等でリスク管理・分析、規制対応、システム等を対応されていた無資格者に関しても、アドバイザリー部門で採用をされるケースが増えていくことが想定されます。
Big4監査法人の採用ターゲット
2017年は昨年同様、即戦力採用もポテンシャル採用も併せて活況となる見通しです。
特に2016年度の公認会計士試験では新規合格者の人数が思うように伸びず、Big4監査法人同士が採用市場でバッティングしました。また、新規公認会計士試験の合格者だけでは人材不足が解消できず、結果としてUSCPA試験の合格者、過年度の公認会計士試験合格者まで採用ターゲットを広げている印象です。また、社会人経験があり語学力や会計的な素養がある方であれば、USCPAの科目合格段階でも契約社員などで雇用をされるケースが出てきているようです。※以下、2017年、監査法人の採用ポジションと大まかな傾向
≪会計監査ポジション≫
・公認会計士は特に優遇
・USCPAの採用も強化
・その他、契約社員などで試験勉強中の方の採用も推進
≪アドバイザリーポジション≫
・公認会計士は特に歓迎
・USCPAに関してはIFRS導入支援等で活躍可能性も大
・分野によっては民間企業出身者(無資格)の採用もあり
準大手、中堅・中小監査法人の2017年の採用トレンド
準大手以下の監査法人においても、人材採用は強化している印象です。特に準大手クラスの監査法人では、クライアントの増加に伴う人材不足に加え、Big4監査法人含めて各社と採用の場面で戦わなくてはならず、人材の獲得において苦戦を強いられているようです。
従って、公認会計士やUSCPA等の資格保有者以外にも、試験勉強中の方を監査トレーニーとして採用するケースも徐々に出てきています。
また、中堅・中小監査法人でも上記と類似した状況が見受けられ、現場スタッフクラスの採用が喫緊の課題となっている印象です。中堅以下の監査法人は、大手監査法人と比べると少数精鋭体制、且つ顧客と近い距離感で監査が出来る点が魅力だと言われますが、少数精鋭体制であるが故、現場スタッフへの負担も増加している印象です。
今後はそういった状況を打破すべく、非常勤監査スタッフを増員するなど、各社の対応が進むことが予想されます。
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(文/シニアコンサルタント)