公認会計士や税理士といった会計業界の人は、どこの企業でも「数字に強くて当たり前」とみなされます。だからこそ、それ以外の部分で差をつけなければなりません。
そこで今回は、これから会計人を目指す方であれば知っておきたい、Excelの基礎知識をご紹介します。
第1回は、魅せる表を作成するための書式についてお伝えいたします。
何でもかんでも中央揃え(センタリング)にするのはNG
「表全体を中央揃えすればいい」と勘違いをしている人がいますが、中央揃えは使い方を間違えると、「自己満足な資料」という烙印を押されてしまうので注意が必要です。たとえば、表内をすべて中央揃えしてしまうと【図1】のようになってしまいます。
少し極端かもしれませんが、このように何でもかんでも中央揃えした表を渡されると、とても見づらいものです。特に、桁の違う数字が混ざっている場合は混乱を招き、業務に支障がでてくる可能性もあります。
この見づらさを解消するためには、基本的に「文字は左揃え、数字は右揃え」を意識するとよいでしょう。実際に4行目~11行目(セルA11は除く)の文字は左揃え、数字は右揃えにすると【図2】のようになります。
例外的に文字が入力してある場合であっても右揃えしたほうが見やすくなるケースもありますので、それについては後述します。
親子関係を明確にする
この表をよく見てみると、「部門」と「事業区分」という親子関係があります。しかし、それらの項目がすべてA列に入力されてしまっているため、パッと見ただけでは親子関係が把握できません。この表のように親子関係がハッキリしている場合には子である「事業区分」はB列に持ってきたほうがいいでしょう。
子である「事業区分」をB列に持ってくることで、「アウトラインの自動作成」が行えるようになります。アウトラインの自動作成は、【図3】のように[データ]タブの[グループ化▼]から行えます。
アウトラインを作ると【図4】のように表の左側に数字ボタンや「-」ボタンが表示されます。
数字の「1」をクリックすると部門だけに集約された表が一瞬で表示できます【図5】。
このように集約すると、数字を大まかに捉えやすくなります。上司や自身のために詳細なデータを残しておきつつ、他部署の人などに説明する際にはざっくりと見せる、といった使い分けが可能になります。
すっきりシンプルに仕上げましょう
今回の表で使用された項目や数値情報がすべて必要なデータだと仮定した場合、最低限必要なデータだけを抜粋してシンプルに見せることは困難です。そのような場合は、塗りつぶしの色や文字の配置、罫線の種類などを上手に使ってシンプルに見せましょう。
百聞は一見にしかず! 最初にご覧いただいたビフォー画像【図1】と修正したアフター画像【図6】で比較してみましょう。
【図6】の修正でごちゃごちゃ感を一気に払拭できたのは罫線の力です。今回のような表の場合、C列:F列のセル幅に余裕を持たせることで縦罫(縦線)がなくても、間を認識できます。そのため、縦罫は両端だけを残し、それ以外はすべて削除しました。
【図6】のように縦罫を削除した場合、見出しである3行目は4行目以降のデータと同じ配置にしておきましょう。つまり、A3は左揃え、C3:F3は(文字が入力されていますが)右揃えになります。
また、A4:B10の塗りつぶしの色を3行目よりも薄くし、最後に「部門」である4行目と8行目、合計の11行目を太字にして完成です。
計算結果だけが欲しい場合や内部の人だけがわかればよい場合には凝った書式設定はあまり必要ないかもしれませんが、内部であっても短い時間で判断を仰ぎたい場合や、外部の人にプレゼンする場合には必要不可欠な作業となります。
表を見た人が何度も列と行を目で追わなければならなかったり、関係性がパッとせず、データの意味をすぐに読み取りにくかったりする表では、大事なデータがなかなか頭に入ってきません。書式設定を活用して、プレゼンや会議の場で参加者にひと目でデータの構造を理解してもらえるよう、素早く伝わる資料をめざしましょう。
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