東京・江戸川区 税理士法人 古田土会計
公認会計士 税理士
古田土 満氏
商業高校卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験し1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。企業の財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで徹底した分析ツールを武器に様々な企業の体質改善を実現。中でも年商50億円、従業員100名以下の中小企業オーナーに絶大なる信頼を得ている。現在は会計事務所の所長や幹部社員を対象に、会計事務所向けの研修講師も務める。現在も自らが担当顧客を持ち現場の第一線で活躍中。
会計士資格取得~現在の法人設立に至る経緯
商業高校在学中に就職先として税務署職員を目指し、国家試験を受験したのですが残念ながら合格できず、どうしようかと考えているときに公認会計士の資格のことを知りました。会計士を目指し始めて3度目の試験に合格し、監査法人にて会計監査業務を3年ほど経験しました。監査法人では監査業務を中心に行っていましたが、監査という仕事の特性から法人顧客の決算チェックがメインでした。監査業務の社会的意義は理解しつつも、第三者としてお客様のチェックをする仕事より、お客様側の立場で「もっとお客様に喜んで頂ける仕事をしたい」という気持ちが高まり、30歳の時に一念発起して監査法人を退職し、個人の会計事務所を開業することにしました。
開業当時、税理士の仕事といえば「記帳代行」と「税務申告書作成」であり、それで顧問料を頂くのが一般的だったのですが、私はそこに違和感を感じていました。もっとお客様に必要とされていることがあるのではないかと。そこで、監査法人に在籍していたときに行っていた財務分析や経営分析の経験を活かして、中小企業向けにアドバイスを始めました。経営分析サービスをお客様に提供し始めると、予想以上に感謝され、喜ばれるようになりました。それが現在の古田土会計のサービスにもつながっています。それ以降、お客様には徹底して付加価値の高いサービス提供を心掛け、お客様が喜ぶことは何でも取り入れてみるというスタイルを取るようになり、現在に至ります。
現在の古田土会計について
現在、当事務所には従業員が140名、また、北は北海道から南は鹿児島まで全国に1600社以上のお客様がいます。特に、お客様に関しては、当事務所では営業活動には力を入れていないにも関わらず、口コミやご紹介だけで年間に150~200件の契約を新規で結ばせて頂いております。特に、既存のお客様から多くのお客様をご紹介いただけていることが非常に有難く、これも古田土会計の職員がお客様に対して一生懸命「喜ばれる仕事」をしてくれているからだと思っています。
また、HPや各種メディアでも、古田土会計は「経営計画書の作成を徹底している会計事務所」という表現をしていますが、当事務所の特色はそれだけではありません。当事務所の経営理念は「日本中の中小企業を元気にする」ことですから、徹底してお客様が元気になる為にはどうしたら良いかを考えて、サービスに反映させています。
例えば、中小企業のお客様の多くは決算書や税制改正のポイントなどが知りたくて会計事務所に相談しているわけではありません。経営者の皆様がいつも考えていて、本当に必要としているのは「利益の確保」と「財務体質の向上」に必要なノウハウです。自社の経営がどのような状態になっているのか、資金的には大丈夫なのか、そしてどのように経営の舵取りを行っていけば良いのか、という経営全般についてのアドバイスを必要とされているお客様に対し、当事務所では独自に作成し改良を重ねてきた「月次決算書」と「経営計画書」をお客様にご提案し、ご利用いただいています。また、経営者が納得するまで、キャッシュフローの読み方、損益計算書や貸借対照表の読み方、それぞれの意味、を説明していきます。何度も何度も説明して、数字に強い経営者の方々を増やしていくことが私どものミッションだからです。経営者が数字に強くなれば、原理原則に基づいた正しい経営が出来るようになりますし、そうなれば会社は自然と潤うはずです。会社が潤えば従業員にきちんと給与を支給できますし、将来的には給与を上げることも出来るはずです。
元気な中小企業を増やすことが出来るのは、我々会計事務所だと思うのです。ですから、会計事務所は記帳代行や決算書作成だけを商品とするのではなく、「どうしたらお客様が元気になるのか」を真剣に考えて、付加価値があるサービスを提供する必要があると思うのです。我々はそういった意味合いで月次決算書の作成と月次の経営指導を欠かしません。毎月の徹底した指導が後々のお客様の経営状態に大きく影響すると信じているからです。もちろん、今の体制が100%の完成形ではありませんので、更に良い手法やサービスがあれば積極的に取り入れていく方針です。
これからの会計事務所業界に必要な人材とは
古田土会計では、人材採用の際には「価値観」を大切にしています。「何のために働いているのか」「何を目指しているのか」といった根本の部分でベクトルの合う人材を採用することを意識しています。当事務所では「日本中の中小企業を元気にする」ことをビジョンとしていますが、お客様を元気にしていくには、自らが常に元気でなくてはなりません。元気のない担当者に指導をされても、決してお客様は感動しませんし、元気にはならないと思うのです。
当事務所では従業員すべてにお客様のために心の底から行動できるエネルギーを持った元気な人材になってもらいたいと思っていますので、毎朝、長い時間をかけて朝礼をし、大きな声で気持ちよい挨拶を所内でも徹底して行っています。事務所を出る際には、○○会社様を元気にして参ります、と他の職員に宣言してから外出するなど独自の取り組みがありますが、こういった習慣はすべて当事務所の従業員を元気にすることによってお客様に元気を伝えたいという考えから来ています。
現在、会計事務所業界は深刻な価格破壊の波に飲み込まれつつありますが、それは会計事務所自身がお客様に必要とされる商品(サービス)を持っていないから、ということなのかもしれません。今までのように記帳を行い、決算書を納品しているだけでは、他の安いところにお願いしても同じとなるのは仕方のないことです。 私達は中小企業の経営を支える「未来会計」のノウハウと共に、会計事務所業界で働く人たちがもっと元気にならなければいけないと考えてきました。そして、日本の中小企業だけでなく会計事務所業界も元気にしていきたいと切に願い、行動を起こしてきました。
常にお客様を元気づけ、お客様から感謝されて元気を頂く、その好循環のスタイルを我々は時間をかけて構築してきたのです。当事務所の職員にはそういった素晴らしい機会を一つでも多く体験してもらいたいと願っています。また、一人でも多くの会計人が素晴らしい体験の機会に恵まれれば、会計業界はもっともっと良い業界になると思いますし、私たちも本気でそういった会計人を生み出せるよう妥協せずに努力を続けていく方針です。そして、ゆくゆくは会計人という仕事が子供たちにあこがれるような職業となるようにしていきたいと考えています。
カイケイ・ファンをご覧の皆様へ一言
会計業界の仕事は、お客様から感謝され、報酬までいただける、素晴らしい仕事です。こんなに良い仕事は他にはないと、私は思います。
会計業界で働く皆さんがもっともっと元気になれば、お客様も元気になり、会計業界全体が元気になりますので、会計業界を目指す方も、すでに働いている方も、志を高く持って欲しいと思います。
ところで、会計事務所で働くみなさんや会計業界を目指しているみなさんは、将来どんな会計人を目指していますか?
もし、「たくさんお金を稼ぎたい」「この技術を身に付けたい」といったように、個人の損得で物事を判断しているのであれば、そんな小さくまとまった会計人を目指すのではなく、個人の損・得よりも尊・徳を意識して、他人や社会に貢献することを目指して欲しいと思います。そして、お客様やその会社の従業員、その家族など、多くの人から感謝され尊敬される会計人を目指し、一緒に会計業界を盛り上げていきましょう。
(2012年5月25日掲載)