近年、会計業界で問題視されている事務所倒産件数の増加ですが、実はこの状況は他人ごとではありません。顧客の経営や税務を分析している会計人ですが、案外、自分の勤務先に関して冷静に分析することは難しいようです。だからこそ、自身の勤務先が廃業リスクに侵されていても気づかない方が多く、危機的な状況に直面して初めて困窮してしまう、というケースも多いのです。
今回は廃業リスクとして挙げられるポイントの中でも、特に主要なリスクと言われている5つのポイントを公開します。
≪会計事務所の廃業リスク≫
1. 新規の顧問先が増えず、顧客が減る一方…「営業力」がない
2. 値引きが多く、安い仕事しか受けられない…「価格戦略」に失敗している
3. 人を大事にしない…「人材育成」に取り組めていない
4. 提供できるサービスに限界がある…「ニーズの多様化」についていけない
5. 所長が高齢なのに後継ぎがいない…「後継者不在」が常態化している
上記の5つのポイントの中で、あなたの事務所はいくつ該当項目がありましたか?
記載の項目の中で3つ以上の項目が該当していた場合は、あなたの事務所も倒産リスク「高」な事務所と言えます。また、実は上記のポイントはそれぞれ繋がっていて、経営体質が悪い事務所はほとんどの項目に該当してしまう可能性が高いです。
≪廃業への道 例≫
所長に経営者意識がなく、新しい仕事を積極的に取りにいかない
⇒新しい仕事にチャレンジをしないので事務所にノウハウが蓄積しない
⇒事務所にノウハウがない為、職員のスキルも高まらない
⇒お客様に専門的なサービスを提供できず、難しい案件が受けられない
⇒既存の顧問先が不満を抱え、徐々に顧問先が減っていく
⇒年々、所長が年を取り所内が高齢化
⇒後継者育成が進まず、廃業・・・
上記のシナリオはあくまで一例です。
あなたの事務所にも廃業リスクとなるポイントが潜んでいるかもしれません。事務所が元気なうちに、ご自身の職場を客観的な視点で評価してみては如何でしょうか。
文/チーフキャリアアドバイザー