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第二回会計事務所甲子園が開催されました
2014年2月5日(水)、東京都文京区にて第一回会計事務所甲子園の決勝戦が開催されました。この会計事務所甲子園には、全国49の会計事務所からエントリーがあり、書類選考を通過した11の会計事務所が地方大会に進出しました。その顔ぶれは錚々たるものです。
※参加事務所一覧:http://k-koushien.org/entry/index3.php
そして、地方大会を勝ち抜いた5つの会計事務所が決勝戦へと進み、自社の理念や取り組み、業界や仕事への熱い思いをプレゼンテーションしました。今回は記念すべき第一回、会計事務所甲子園の参加レポートです。
第一回会計事務所甲子園の決勝戦にエントリーされた5つの会計事務所
会計事務所甲子園の決勝戦に進まれた会計事務所は下記の通りです。
1.トリプルグッド税理士法人(大阪)
2.税理士法人鶴田会計
3.TOMAコンサルタンツグループ株式会社
4.株式会社本宮会計センター
5.御堂筋税理士法人
第一回会計事務所甲子園のプレゼンテーションも上記順番で実施されました。
会場には1800名の観客、予想以上の盛り上がりに
各会計事務所ともに大変熱の入ったプレゼンテーションをされ、会場には熱気と感動が渦巻いていました。この会計事務所甲子園の斬新なところは、プレゼンターが会計事務所で働く“実際の職員”という点でしょう。会計業界で普段クローズアップ(取材)されるのは、有名な会計事務所の所長やパートナーであり、一般の会計事務所スタッフにスポットが当てられることはごく稀なことです。そのため、これまでは現場で奮闘している職員の顔や声、感情や想いを感じる機会はありませんでした。会計事務所甲子園では職員の実際の取り組みや彼らのチームワーク、事務所の目指す方向性などを生身の職員にプレゼンテーションしてもらうというスタイルを採用しています。筆者自身も会計事務所甲子園(決勝戦)を観戦してきたのですが、その戦略は大当たりだと思いました。どのプレゼンテンターも堂々としており、本気で伝えたい“想い”を言葉にしていました。中にはプレゼンテーション中に感極まって涙する職員もいて、どれだけ本気でお客様のことを考えて働いているかが、良く伝わる決勝戦だったと思います。
優勝した「日本一」の会計事務所は
記念すべき第一回会計事務所甲子園の優勝事務所は、トリプルグッド税理士法人でした。 こちらの会計事務所は大阪府に事務所を構え、総勢72名、パート職員を含めると100名弱になる総合型税理士法人です。今では毎年20%の業績アップを実現している同事務所ですが、10年前は全く今とは違う実態だったようです。例えば、電話に出ればクレームの嵐、職員の度重なる退職、現場の士気の低下、職員は何の為に働いているのかさえも分からなくなっている…など酷い状況だったそうです。
そのトリプルグッド税理士法人が変わり始めたのは「価値観を共有するクレド経営」を導入し始めてからだそうです。クレド経営とは、自分たちの大事にすべき指針・方針・ミッションなどを文字に落とし込み、職員全員が内容を共有するというもので、異業種では超一流ホテルのリッツカールトンなどが導入しています。
一見すると、理念を共有するだけ?と思われるかもしれませんが、この理念を現場に浸透させることは容易ではありません。日々忙しく働いている職員にとって、事務所の新しい取り組みは面倒そのもの、更に忙しくなるようなものには否定的な職員ばかりだったそうです。しかし、所長は決して諦めませんでした。「この理念共有型のクレド経営こそが現状から脱却する道なのだから、どれだけ時間がかかっても絶対に浸透させる!」という姿勢を貫き、地道に職員と向き合い続けたそうです。その諦めない不屈の精神が徐々に職員の心を動かし始めます。理念に共感し、共鳴して下さる職員が一人また一人と増え、今ではクレドを共有した職員が一社でも多くのお客様を元気にしようと切磋琢磨し、働き甲斐のある会社NO.3にも選定されるほどの大変身を遂げたのです。※各社の具体的な取り組みは別記事にてご紹介いたします。
本記事では、細かな取り組み全てを掲載することは難しいですが、やはり職員の心が動いていく瞬間、現場の士気が高まる過程、彼らに使命感が生まれる時、そしてそのエネルギーが会計事務所の枠を超えて顧客に届いていく様を見ると感動しますね。決勝戦に進まれた全ての会計事務所が素晴らしいプレゼンテーションを行っており、2000名近くの来場者が感動しました。
今回、業界初の試みとして開催された会計事務所甲子園ですが、大成功だったのではないでしょうか。次回、第二回は12月3日(水)、渋谷公会堂で開催される予定です。今後も会計事務所甲子園の動きから目が離せません。
(文/チーフキャリアアドバイザー)