会計トピックスの新たなシリーズ記事として「会計業界の転職成功事例」をご紹介していきます。
こちらのシリーズでは会計業界で転職を成功させた方々の事例を通して、転職までの経緯や転職先決定のポイント、決定までをサポートしたキャリアアドバイザーからの声もご紹介致します。
年収?事務所の規模?それとも勤務地? 転職成功のポイントは本当に自分が希望する条件の優先順位をつけること!!
Mさん(30代前半/女性)
転職前:小規模会計事務所(所員6名) ⇒ 転職後:税理士法人(所員15名)
資格:税理士試験科目3科目合格(簿・財・法)
年収:転職前360万円+残業代 ⇒ 転職後330万円+残業代■転職までの経緯
Mさんは、大学卒業後4年間、一般企業に就職し、管理部門にて経理業務を中心に人事総務などの管理業務全般に携わられました。その中で「一生働いていくには専門性を身に付ける必要がある」と考え、会計事務所への転職を決意し、会社を退職されました。退職後2年間は専門学校に通い、税理士試験の簿記論と財務諸表論の2科目に合格。その後、現在の会計事務所に就職し、主に中小企業を対象に記帳から税務申告まで一通りの税務業務を4年間ご経験されました。その後、3つ目となる法人税法に合格したことをきっかけに、自分の将来を考え、転職活動を開始されました。
■転職決定のポイント
Mさんは、転職開始当初は多くの希望をお持ちであり、「年収は現職維持」「規模は従業員30名以上」「専門学校に通いやすい勤務地」「教育体制が充実している」「女性が活躍している」と複数の項目を必須とされていらっしゃいましたが、そういった条件を全て満たす会計事務所は少なく、選考ハードルも高いため、一般企業の4年間と勉強期間2年間の計6年間、他の方より実務経験が少ないMさんのキャリアではなかなか内定がとれない状況が続きました。 そこで、改めてキャリアアドバイザーと面談を行い、Mさんの転職理由を整理したところ、前職は税理士有資格者が所長のみであり、細かい教育もなかったため「ほぼ自己流で身に付けてきたスキルに不安に感じている」という点と、30代を迎えてこれから結婚や出産も考えているので「女性が長く勤められる環境で働きたい」というふたつの点が重要であることが明確になりました。当初ご希望されていた条件の中でも「教育体制が充実している」と「女性が活躍している」という2点を優先項目とし、改めて応募先を選びなおしました。 それにより応募する事務所の数も増え、面接する中で視野も広がり今後のキャリアビジョンも明確になりました。最終的にMさん入社したのは、従業員15名程の税理士法人で、入所時の年収は少し下がりました。しかし、所員の半数が税理士有資格者で経験豊富な方が多いなか、クライアントの自計化率が高く記帳業務が少ないためスキルアップができること、また、既婚の女性の方も複数名ご活躍されている環境であることなどの条件を満たすことができ、希望通りの転職が実現できました。
30歳前後の女性の方が転職される際には、結婚・出産・育児と言ったライフイベントを意識して、女性が勤めやすい転職先を探される方も少なくありません。また、それらの希望に加えて、スキルアップや試験勉強に関してのご希望をお持ちである方が多い傾向があります。 しかしながら、それらすべての条件を満たす転職先は少なく、採用側も自分の希望ばかりを主張する人材よりも、事務所に必要なスキルを身に付けている人材を採用する傾向がありますので、自分の希望の全てを満たそうとして、転職活動に苦戦してしまう人も少なくありません。そのため、今までのキャリアを棚卸した上で「本当に自分が優先したい条件はどれか」「自分のスキルは転職市場ではどれくらい評価されるのか」を考慮して転職活動を行っていくことが重要です。
Mさんの場合、そもそもの転職理由を見直すことによって、Mさんにとって本当に必要な項目が明確になりました。その結果、「会計事務所選びは事務所の規模や給与条件だけではなく、どのような業務が実際にできるかということが大切」という考えで幅広く転職先選びをしていただけたことが面接のチャンスを広げ、転職を成功に導いたポイントだったと思います。客観的に市場価値を判断した上でキャリアビジョンを練り、自分に合ったご転職先を見つけられたMさんの今後のご活躍が楽しみです。 是非、末永く頑張って頂きたいと思います。
今回の「会計業界の転職成功事例」はいかがでしたか? 今後もさまざまな転職の事例を定期的に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
(担当/キャリアアドバイザー)