会計トピックスの新たなシリーズ記事として「会計業界の転職成功事例」をご紹介していきます。
こちらのシリーズでは会計業界で転職を成功させた方々の事例を通して、転職までの経緯や転職先決定のポイント、決定までをサポートしたキャリアアドバイザーからの声もご紹介致します。
早くから経験を積むことで自分のキャリアビジョンを明確に、そのうえで今の自分のキャリアに合った事務所選びを行うことが大切。
Uさん(24歳/男性)
転職前:中小会計事務所(所員10名) ⇒ 転職後:中堅税理士法人(所員30名)
資格:税理士試験科目2科目合格(簿・財)
年収:転職前280万円(残業代別) ⇒ 転職後320万円(年俸制)■転職までの経緯
Uさんは、大学卒業後の2年間、小規模会計事務所で記帳代行を中心とした業務に携わりながら、税理士試験にチャレンジし、簿記論と財務諸表論の2科目を取得されました。 当初、Uさんが勤務されていた会計事務所は、1クライアントに対して2名でサポートするという体制の事務所であったため、新卒で入所したUさんの業務は先輩のサポートである入力や仕訳業務ばかりでした。税務申告業務の経験を積みたいと思っていましたが、Uさんが勤務する会計事務所は、税理士にならなければ税務申告書の作成には携われないというルールがあり、当面は希望の業務につけそうにありませんでした。 そんな中、早くしっかりした実務経験を積んでおきたいと考えているUさんは、20代前半で順調に2科目に合格したタイミングで転職活動をスタートしました。
■転職決定のポイント
Uさんは中堅の従業員30名程の税理士法人へ転職されました。 転職先の税理士法人は30名の従業員のうち10名はパート社員で、入力や仕訳業務はパート社員が担当することとなっており、スタッフは決算や税務申告、顧客対応に専念することができます。また各スタッフの業務はチームリーダーがチェックする体制となっているため、税務申告が未経験のUさんでも、担当顧客を持ち、チームリーダーのチェックと指導を受けながら希望していた業務に取り組むことができる環境でした。各スタッフに責任ある仕事を任されることから、残業は前職より多い環境となりましたが、Uさんは実務経験を重視されたいとのことからご転職を決められました。
Uさんは若くして自分の将来のキャリアビジョンを明確にお持ちであり、30代前半までに税理士試験の官報合格を果たし、30代半ばを目途に独立したいとお考えでした。そのため、今の自分に何が必要か優先順位をしっかりと持っておられ、残業は少々多い環境でしたが、まずは実務経験を優先したいとのご希望をお持ちでした。 会計事務所業界では、20代の大部分を試験勉強に費やし、30代前半で税理士資格を取得したものの、実務経験が短く、転職が難しくなってしまうケースも頻繁に見受けられます。特に若い方は、「資格があれば何とかなる」「早く資格をとらないと不安」などといった考えの方も多いですが、士業においては、会計士や弁護士もそうであるように実務経験あっての資格であり、資格と実務経験の両方を意識してキャリアを積む必要があります。 Uさんは「30代半ばで独立」という明確なビジョンをお持ちであったため、多少の困難にもぶれないと思います。これからも夢に向かって一歩一歩前進して、頑張って頂きたいと思います。
今回の「会計業界の転職成功事例」はいかがでしたか? 今後もさまざまな転職の事例を定期的に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
(担当/キャリアアドバイザー)