会計トピックスの新たなシリーズ記事として「会計業界の転職成功事例」をご紹介していきます。
こちらのシリーズでは会計業界で転職を成功させた方々の事例を通して、転職までの経緯や転職先決定のポイント、決定までをサポートしたキャリアアドバイザーからの声もご紹介致します。
経営者から頼りにされる税理士になりたい!
資金繰りや予実管理に強い会計事務所に転職して経営指導に強い税理士を目指す。Yさん(29歳・男性)
転職前:小規模会計事務所(所員10名) ⇒ 転職後:中規模会計事務所(所員25名)
資格:税理士試験科目4科目合格(簿・財・法・消)
年収:転職前400万円(残業代込み) ⇒ 転職後400万円(残業代込み)■転職までの経緯
Yさんは、大学在学中に簿記二級を取得したことをきっかけに、会計コンサルの仕事に興味を持ち、税理士を目指すことを決意しました。卒業後の2年間、税理士試験の勉強に専念することで簿記論と財務諸表論に合格したあと10名程の会計事務所に入所しました。主に地場の中小企業を顧客として抱えており、記帳代行や税務申告書作成といった業務を経験されました。 残業も殆どなく、実務経験と試験勉強の両立を図るのにも適した環境でしたが、仕事の内容が記帳や税務申告といった代行業務のみであったため、このまま勤めていてもYさんが本来目指していた会計コンサルの仕事はできません。また、中小企業に税務のサービスを提供する中で、資金繰りに頭を抱える社長の姿を見て、何とかしたいという気持ちが強くなってきました。 そこで、入所から4年目、法人税法と消費税法に合格したのを機に、Yさんは転職活動を開始されました。
■転職決定のポイント
Yさんはクライアントの経営支援に強みを持つ中規模会計事務所に転職されました。 ご転職相談当初、Yさんは中小企業の経営支援などの会計コンサル業務をしたいと考えて税理士を目指されたご経緯があったため、経営支援や資金繰り指導に強い会計事務所を中心に数事務所へ応募されました。残業が少なく試験勉強の時間の取れることや、年収アップなど複数の条件すべてをご希望でしたが、カウンセリングでお話しさせていただく中で、本来希望していたのは「会計コンサルができる税理士になること」であると改めてお気づきになられました。 その結果、予実管理体制の構築や資金繰りの指導など、中小企業経営者を税務以外の面からもサポートできる会計事務所をご選択し、見事転職先が決まりました。
税理士を目指されている方々の中には「中小企業の力になりたい」とお考えの方もいらっしゃいますし、「記帳代行や税務申告よりも付加価値のあるスキルを身に付けたい」とお考えの方も少なくないのではないでしょうか。「付加価値のあるスキル」を高める際、組織再編や事業承継、相続税対策など「税務」のスキルを高める方法もありますが、予実管理や資金繰りの指導や決算の早期化など「経営」に関するスキルを高める方法もあります。
Yさんの場合は、前職の会計事務所で担当していた企業の社長が資金繰りに頭を抱えている姿を見つつも、それを助けることができなかった歯がゆい思いをした経験をお持ちであり、そう言った社長をサポートすることができるスキルを身に付けることを選択されました。転職先でしっかりと経験を積むことで、日本の中小企業から頼りにされる税理士を目指して頂きたいと思います。
今回の「会計業界の転職成功事例」はいかがでしたか? 今後もさまざまな転職の事例を定期的に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
(担当/キャリアアドバイザー)