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【コラム】 石原政権誕生なら会計士は「太陽の季節」に!?

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「新党を作って、仲間を作ってやろうと思ってます」 去る10月25日、東京都の石原慎太郎知事が任期途中での辞任と、新党を結成して国政に復帰する意向を示した。緊急記者会見での表明は、この人らしい電光石火の動きだった。

1999年から13年半もの長期政権となった石原都政。大手銀行への外形標準課税の導入、ディーゼル車への規制、東京五輪招致、新銀行東京の創設と失敗―その評価に賛否両論が渦巻くが、「東京から国を動かす」という意気込みによる行動力、発信力で際立っていたのは確かだった。今年4月には沖縄・尖閣諸島を都で購入すると表明。日本政府や中国に揺さぶりをかけ、その後の国有化につながった。

報道ではあまり取り上げられていないが、石原氏は辞任会見で「東京は(会計を)複式簿記で合理化し、財政再建をした。何で同じことを国がやらない。会計方法を世界並みに変えたらいい」と胸を張った。日本の公的機関の会計は先進国でも稀な単式簿記であるとし、石原氏は初当選した99年の都知事選から民間と同じ複式簿記の導入を主張してきた。

タカ派で派手なイメージの石原氏だが、実は地道な会計の世界を志した意外な過去がある。「僕は公認会計士になるつもりだったんです。父親が死んでしまって、お金を稼げる職業に就かなきゃいけないというので、父親の上司が会計士を薦めてくれた。それで、一橋大学に行って会計士になるための勉強をしました。」(2007年4月、日経BPガバメントテクノロジー)。

会計士の勉強は挫折したが、鮮烈な小説家デビューを果たす前に会計の世界に触れたことで、政治家転身後も国の会計制度のあり方に問題意識をもっていたようだ。都知事就任後は会計専門家の知見を借り、民間型の複式簿記による会計システムを導入。職員のコスト感覚の変化や無駄の洗い出しに効果があったといい、退任会見でも「国は会計制度もやり直して、外部監査を入れたらいい」と訴えた。

石原氏はかつて「都知事としての一番いい仕事は、会計制度の改革」とまで言っている。橋下徹大阪市長も府知事時代に石原氏の取り組みを参考に東京都型の会計制度導入を決めており、次期衆院選で二人がタッグを組んで国政で影響力を及ぼすようになれば、国の会計制度も大きく変化しそうだ。先進国で最悪の財政を立て直すには、復興予算の流用にみられる官僚たちの無駄遣いにメスを入れる必要がある。その時、公認会計士が国民の期待を背負った監査人として脚光を浴びる「太陽の季節」が到来するかもしれない。

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