会計トピックスの新たなシリーズ記事として「会計業界の転職成功事例」をご紹介していきます。
こちらのシリーズでは会計業界で転職を成功させた方々の事例を通して、転職までの経緯や転職先決定のポイント、決定までをサポートしたキャリアアドバイザーからの声もご紹介致します。
変化のない環境は居心地が良い、でもそれは自分にとって必要な環境なのか?
Tさん(26歳/男性)
転職前:老舗会計事務所(所員12名) ⇒ 転職後:若手所長が経営する会計事務所(所員8名)
資格:税理士試験科目3科目合格(簿・財・消)
年収:転職前380万円(残業代込み) ⇒ 転職後420万円(残業代込み)■転職までの経緯
Tさんは大学在学中に自宅近くの小規模会計事務所でアルバイトを行いながら、税理士試験の勉強をスタートされました。その後、大学卒業と同時にアルバイトをしていた会計事務所で正社員となり、仕事内容もアルバイト時代は入力や仕訳が中心でしたが、実力が付くにつれて決算や税務申告書の作成も任せてもらうなど、順調にキャリアアップを実現していきました。また、大学卒業から毎年1科目ずつ順調に税理士試験科目を取得し、26歳の時には税理士試験科目も3科目(簿・財・消)に合格されているご状況でした。 一見、順風満帆に見えるTさんのキャリアでしたが、Tさんが勤務していた会計事務所は所長や他の職員に高齢の方が多く、また毎年少しずつですが顧客離れが進むなど将来への不安が強くなってきたことから、勤務環境を変えた方が良いのではないかと思われ、転職活動を開始されました。
■転職決定のポイント
Tさんがこれまで勤務されていた老舗会計事務所は、退職者がほとんどいない働きやすい環境であり、残業も少なく業績も悪くない、いわゆる”古き良き会計事務所”でした。しかし、60代後半の所長を筆頭に、従業員も40~50代のメンバーが中心と平均年齢が高く、また、顧問先開拓のための営業活動や業務効率アップのためのIT化なども行われていない状況でした。もともと新しいことに対して貪欲なTさんとしては現状に不安を感じ始めており「もっと新しい取り組みをしないと・・・」という思いを募らせていました。 数週間の転職活動の結果Tさんがご転職先として選ばれた会計事務所は、インターネット広告の活用や金融機関との提携、ダイレクトメールの送付など積極的な営業活動を行っている事務所でした。職員はデュアルディスプレイのパソコンで業務を行い、顧客に対してExcelやPowerPointを活用して提案を行うなど、若い所長ならではの勤務環境でした。当初、漠然としていた不安が解決され、「新しいこと」への意欲が満たされる会計事務所への転職はTさんの要望を満たす転職となりました。
高齢化が進む会計業界では、Tさんが勤務されていたような昔ながらのスタイルの会計事務所は、意外と多くあります。そういった会計事務所に長く勤務していると、居心地は良いものの、気づかないうちに税務・会計・経営・ITなど最新のノウハウから取り残されてしまう場合があります。特に、最新の税法をしっかりとキャッチアップしたり、最新のITツールを日ごろから使用しているかどうかといった基礎的なビジネススキルは、若いうちに身に付けておかなければ、将来の大きな差となってしまいます。税理士を目指していると、税理士試験や税務実務に気を取られがちですが、時代の変化にしっかりとついていける税理士となるためにそういった最新の環境に身を置くことも非常に大切です。 Tさんからはご転職後にご連絡を頂きましたが、新しい勤務先にて切磋琢磨できる同年代の従業員に囲まれ、日々良い刺激を受けながら勤務しているとのことでした。この調子でぜひ理想の税理士を目指して頑張って頂きたいと思います!
今回の「会計業界の転職成功事例」はいかがでしたか? 今後もさまざまな転職の事例を定期的に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
(担当/キャリアアドバイザー)