今年も税理士試験の合格発表日が近づいて参りました。 税理士試験の結果発表まで残すところあと数週間ですが、平成24年度の税理士試験発表後の転職市場はどのような動きを見せるのでしょうか。例年通り、会計事務所の求人数は増える傾向にあるのでしょうか。今回のコラムでは「税理士試験結果発表後の転職市場を大胆予測」ということで、この冬場の会計事務所の転職についての市場動向を推測してみたいと思います。
平成24年度税理士試験結果発表後に会計事務所の求人は増える?それとも減る?
今年の税理士試験結果発表後の会計事務所の求人数は、ズバリ「増える」と考えてよいでしょう。 今年は税理士試験実施日が例年よりも早かった為、夏場の転職市場においては前倒しで面接を受ける方が多く見受けられました。その結果、お盆明けまでの期間で多くの受験者の方々が転職先を決定され、その後の転職市場においては、慢性的な人材不足が生じていました。 また今年は、例年に比べて採用意欲の高い会計事務所が増加傾向にあります。ただでさえ不足感がある今年の会計事務所の転職市場ですが、税理士試験結果発表に向けて求人数はさらに増加する見込みであるため、今後も求人数に対しての人不足状態は続くでしょう。
早期入社可能な方は好まれる?
12月の転職活動を行う際には、早期入社が可能な方が好まれる傾向にあります。 特にBIG4税理士法人や準大手~中堅税理士法人に関しては、優秀な人材に対する渇望感があり、それに加えて繁忙期が間近に迫っていることから、早期に入社出来る実務経験者へのニーズは高いようです。
これから数年間は資産税経験者の評価が高まる?
2011年以降、特に資産税マーケットへの参入を図る会計事務所が増えており、その業務に対応可能な人材が不足している状態が続いています。今年、相続税法を受験された方、または少しでも相続税に関する実務経験のある方に関しては、キャリアアップのチャンスが来ていると言えます。
試験結果発表前に採用を決めてしまう事務所が増えてきている?
税理士試験結果発表より前に優秀な人材を囲ってしまいたい、という会計事務所が徐々に増えてきたように感じます。 今までは、税理士試験結果の発表後に専門学校主催の合同説明会に出展し、その時にエントリーがあった候補者を採用する、という動きが比較的一般的ではありましたが、近年そのような動きを取らない会計事務所も増えてきています。 特に成長・発展中で人材不足な会計事務所、長年思うように採用が出来ていなかった会計事務所などは、常に面接を実施する準備を整えています。「優秀な方がいれば、試験発表前に採用してしまいたい。」という事務所が増加傾向にありますので、その動きを察知した受験者は冬場の転職活動を前倒しで行い始めている状況です。
時代と共に様子を変えてきた会計事務所の採用ですが、今年もどのような状態になるのか目が離せません。受験者の皆様、および転職活動中の皆様のご健闘をお祈りいたします。
(文/キャリアコンサルタント)