今年の転職市場は人材の流動性が低く、採用したくても採用が出来ていない事務所が続出しているという特異な現象が起きています。
いったい会計業界の転職市場はどういった状況にあるのでしょうか?
今回は、特に税理士事務所における採用マーケットとその実態についてフォーカスしてみたいと思います。
採用ニーズは未だ高い状態
遡ること2012年12月、税理士試験の合格発表の頃から、転職活動を先送りする方が多く、会計事務所の人材ニーズが未だ満たせていない状況が続いています。
大手~中堅の税理士法人については、業界経験者を優先して採用を行う傾向にあり、特に税理士試験も3科目以上合格している方などが採用ターゲットになります。
また、個人会計事務所に関しても合格科目の有無に関係なく、業界経験者を優遇する傾向にありますが、この半年間、そういった「実務経験者」の動きが鈍化しています。
今後の求人動向
3月決算企業の申告時期を乗り越えた税務スタッフ層が、6月以降徐々に転職市場に流れてくることが予測されています。比較的人気のある会計事務所に応募が集中し、そうではない事務所は引き続き採用に苦戦をするという二極化状態が訪れる可能性が高いです。
特に国内税務、国際税務、資産税、財務コンサルティングなどを総合的に解決できる「体力のある事務所」や、特定の分野に高い専門性をもった「独立系の会計事務所」(資産税特化型など)には比較的多くの応募が集まるのではないでしょうか。
2013年の会計事務所業界における人材ニーズは高いため、もし自身のキャリアに行き詰まりを感じている方、就業環境を改善したい方などがいらっしゃれば、今年こそチャンスの 年になるのではないでしょうか。
文/チーフキャリアアドバイザー