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【会計士Xの裏帳簿】イレギュラーな「駆け込み確申」はビジネスになるか?

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確定申告が終わりに近づいてきました。税理士の個人所得税の申告業務もまさにラストスパートに入ります。この時期、税理士に思わぬ形で依頼が入り、扱いに困ってしまう業務が、納期ギリギリに記帳代行や申告書の作成を行う、いわゆる「駆け込み申告」です。

基本は請けない。しかし現実は?

多くの税理士は、確定申告期スタート前に、申告業務の新規受任を締め切っています。業務が集中する申告期に備え、顧問先の法人業務等に支障がない程度で仕事量を確定させるためです。つまり、今の時期の駆け込み申告は、基本的に請けないということになります。

しかし、表向きの運用と現実の業務はしばしば異なります。実は、新規の受付を締め切っている税理士も、知り合いの紹介等、断りにくい状況のもと、申告業務を請けざるを得なくなることもあります。また、特に独立したての税理士は、「来た仕事はなんでも請ける」という姿勢が強く、駆け込み依頼にも対応しているようです。

もちろん、一旦受任したからには、プロとしての責任があります。代理申告でハンコを押すことができるだけのクオリティの業務を遂行しなくてはならないということは、顧問先企業の申告であろうと、駆け込み申告であろうと変わりません。

新規顧客の獲得は嬉しいものではありますが、怒涛の仕事量と重い責任を負うことになる駆け込みへの対応は、少なくとも表立っては行いたくない、という気持ちはよく理解できます。

駆け込み需要を積極的に掴む税理士も

一方で、法人、個人問わず「駆け込み申告パック」のように、一年分の帳票を受け取って短時間で決算書や申告書を作成し、申告代行までを一括して請けるサービスの提供に積極的に取り組んでいる税理士もいらっしゃいます。

さすがに、申告期に入ってからでも確実にOK、と謳っている事務所はあまりないようですが、なるべくギリギリまで対応できる体制を築き、個別に可否を判断した上で業務を行っているようです。

その際には、税理士資格者であることが武器となります。せっぱつまった時期ですから、記帳代行業者に記帳を頼み、さらに税理士を探して申告を依頼する時間もありません。記帳から申告まで「一気通貫」で対応できる税理士の存在感が増します。

会計ソフトやe-Taxなどにより、全国から業務を受注できるようになったことも影響しています。申告期が近くなると、キーワード検索による税理士探しが増えることから、ネットによる集客との親和性も非常に高いといえるでしょう。

「駆け込み」市場の開拓に乗り出すのはかなりの勇気がいりますし、またその必要性を感じないという方がほとんどでしょう。しかし、新サービスの創出を考える税理士は、「駆け込み」の市場規模の見極め、人員配置、業務効率化など、事業化を想定し方策を練ってみるのは無駄ではないかもしれません。

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