会計トピックスの新たなシリーズ記事として「会計業界の転職成功事例」をご紹介していきます。
こちらのシリーズでは会計業界で転職を成功させた方々の事例を通して、転職までの経緯や転職先決定のポイントをご紹介致します。
将来の大手監査法人から税務を幅広く対応出来る総合型税理士法人に転職
Aさん、27歳/男性
転職前:BIG4監査法人 ⇒ 転職後:準大手税理士法人(総合系)(所員200名強)
資格:公認会計士
年収:転職前650万円(残業代込み) ⇒ 転職後650万円(年俸制等)監査業務で充実した毎日、でも税務にも興味がある
Aさんは大手監査法人の国内部門にて3年半、監査業務に従事されておりました。監査という仕事は充実しておりましたが、担当クライアントから寄せられる質問の中には税務に関することも数多く、次第に税務についての興味が高まっていきました。
クライアントの相談を受ける第3者の立場で行う監査業務よりも、クライアント側に立った支援業務がしたいという想いが高まったある日、かねてから興味のあった税務業界で経験を積もうと転職を決意されました。意思決定のポイントは5年後、10年後の自分の姿
Aさんは「税務」に関する実務経験を積む、という漠然とした目標をより明確にするため、異なるタイプの会計事務所に応募することにしました。一つは国内クライアントを中心に決算や税務申告のみに特化している会計事務所、もう一つは国際業務にも注力し幅広いサービスラインを有する準大手税理士法人(※)でした。
面接を受けた各社からは似たような評価で「年齢的にも若くポテンシャルがあり、目標も明確なので今後の成長がイメージできた。」という事で、2所とも内定獲得に至りました。
※補足…準大手税理士法人(200名程度)Aさんは、最終的には相性的にも合っていると感じた準大手税理士法人への入所を決められたのですが、意思決定のポイントは大きく分けると2つあるのではないかと思います。
一つ目は、通常の税務業務のみならず、連結納税、組織再編、M&A、MAS業務等、コンサルティング業務など、やりがいのある業務にもチャレンジ出来る環境が整っていたこと。
二つ目は、少々多忙な環境ではあるものの、自身の5年後、10年後を考えた際、準大手税理士法人であれば上のポジションも詰まっていない為、その法人で将来的には幹部社員を狙うことも出来るのではと考えたことが意思決定のポイントでした。
監査しか経験したことが無い公認会計士の方が、税理士法人ないしは会計事務所に就職することは、容易ではありません。多くの会計事務所では“税務に関する実務経験が必要”ということで、選考の時点から税理士の候補者が優先されてしまうケースも多いのです。また、公認会計士においては年収を維持しながら転職を実現させるということも現実的には難しく、実際は監査法人の年収レンジ(スタッフ~シニアスタッフ)から100~200万円程度下げての転職となることが殆どです。
今回のケースでは、Aさんはもともと進むべき方面が明確であり、応募したい業界について事前の情報収集を怠りませんでした。特に税理士事務所業界そのものの構造や、法人ごとのタイプの違いに関しては、転職エージェントから詳しく情報提供を受けており、最後まで自身の軸もブレずに、会計事務所でのキャリアを構築するという想いが面接官にも伝わったため、ポテンシャル採用が実現したのではないかと思われます。Aさんの税務キャリアはこれからです。ご活躍をお祈り申し上げております。
今回の「会計業界の転職成功事例」はいかがでしたか? 今後もさまざまな転職の事例を定期的に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
(文/シニアコンサルタント)