会計トピックス「会計業界の転職成功事例」では会計業界で転職を成功させた方々の事例を通して、転職までの経緯や転職先決定のポイントをご紹介致します。
初めての転職を最後の転職にしたい。自分にとって長期的に働ける環境とは何か?を探す転職
Hさん、38歳/女性
転職前:BIG4税理士法人・国際部(所員 約500名)⇒ 転職後:日系上場メーカー(所員3000名)
資格:税理士試験科目5科目合格(簿・財・法・所・消)
年収:転職前1100万円(残業代込) ⇒ 転職後800万円(固定給+賞与等 ※各種手当は別途支給)20代の働き方が出来なくなってきた30代、長く働き続けたいから転職という選択
Hさんは大学在籍時から会計のゼミに所属しており、大学2年の頃から税理士を目指していました。また、試験勉強の進み具合も順調であり、大学を卒業する頃には簿記論と財務諸表論に合格、卒業後は就職をせずに資格の専門学校に通うようになりました。
大学を卒業した年の8月の試験で法人税と所得税を受験し、それなりの手応えを感じたHさんは、そのままBIG4税理士法人の採用説明会に参加、スムーズに内定を獲得し入社に至りました。
Hさんが配属されたのは某BIG4税理士法人の国際部、主に外資企業に対して決算レビュー、税務申告書作成、税務の意見書作成などが中心でしたが、小規模なクライアントに対しては給与計算や会社設立支援なども行っていました。Hさんにとっては仕事の内容が肌に合っており、30代前半までは何事もなく業務をしてきましたが、深夜残業や急なスポット案件の対応で休暇が取りづらい時期がある等、時間的な拘束が続く中で徐々に肉体的に疲弊してしまったのでした。
そして、30代も後半に差し掛かった頃、「このような状況が続くと長く続けるのが難しいのではないか…」と考えるようになったそうです。転職に求めるいくつかの要望、譲れないポイントはどれなのか?
Hさんは弊社の転職カウンセリングにお越し下さった際に、今後のキャリアについて大変悩まれていました。「残業時間を減らしたい」という現実的な要望と「一般企業に入ると専門性は捨てないといけない」という二つの気持ちが入り混じり、転職活動を始めることに躊躇されているようでした。
結局、初回のカウンセリングでは転職の方向性は纏まらず、Hさんには一定期間冷静に将来を考えて頂き、最終的には下記2点の「譲れないポイント」だけは大事にする方針になりました。≪転職時に譲れないポイント≫
・税務知識と英語が使える
・ワークライフバランスを改善するHさんの場合、“転職活動における譲れないポイント”が決まってからはスムーズに進みました。
英語と税務知識を活かして仕事をするというスタンスが実現できるのは、基本的にはグローバル企業が中心になりますし、その中である程度落ち着いたワークスタイルを実現しようとすると、希望条件に合致する企業自体が少ないことをHさんも知っていたのです。
だからこそ、Hさんは自身のスキルの中で「実務で培った語学力」と「グローバル企業の税務・会計の代行経験」という強みを打ち出していく戦略を立てました。また、面接対策を行う中で、税理士法人と一般企業で求められる「能力」が異なることにも気づいたようです。税理士法人では職員の多くが税理士ですので、専門家としての知識や業務処理スピードを求められる傾向にありますが、一般企業では年齢を重ねるにつれてマネジメント経験や周囲との調整能力が求められるということを意識して面接に臨むようにしたのです。そういった緻密な自己分析や面接対策が功を奏し、ついにHさんは大手メーカーのグローバル経理チーム(移転価格等含む)に迎え入れられることになったのです。
Hさんのように「税理士法人から一般企業へ転職をしたい」という方は年々増加傾向にあります。また、そのような税理士が増えることで、結果として面接官の“税理士に対する目”が肥えてきているのも事実です。一昔前は一般企業へ税理士や公認会計士、弁護士などの資格者が中途入社するというケース自体が稀でしたので、資格があれば一目置かれる存在でしたが、今どきの人事は「資格」+「企業での勤務適正」や「明確な志望動機」などを要求するようになっています。
今後、事業会社への転職を希望される資格者は、一般企業の人事がどのようなことを考え、どのような採用基準で人材を採っているのかを研究していく必要が出てくるでしょう。
今回の「会計業界の転職成功事例」はいかがでしたか?
今後もさまざまな転職の事例を定期的に掲載していく予定ですので、お楽しみに!
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(文/シニアコンサルタント)