資産運用の世界でいう「リスク」というコトバを正しく理解している人が非常に少ないようです。多くの方はリスクと聞くと「危険」とか、「元本割れ」をイメージされてしまうようです。
リスクとは「危険」とか「元本割れ」ではありません!
これからはリスクを「ぶれ幅」とか、「値動き」と解釈してください。つまり、最高に儲かりうる点から最高に損しうる点までの幅こそがリスクです。
リスクが高いとは、値動きが大きいこと、逆にリスクが低いとは値動きが小さいことをいいます。値動きのある運用をしようと考える場合、何よりも先に、リスクとリターンの正しい理解が必要です。
(この辺りのさらに詳しい解説は5月のコラム「初めての投資信託、その前に知っておきたい2つのこと」でも触れているのでご覧くださいね!)
株、債券、REIT、FXなど…、リスクの違いを判別することの重要性
さて、アベノミクスや、アメリカのNYダウが史上最高値を更新しているとのニュースの影響で、この時期、まず思いつくのは株式投資でしょう。
少し前なら、FXに興味を示す方が多く、もっと前の金融危機の時は債券投資が人気で、その前はREITというように、その時々で注目されるものの違いはありますが、注目が集まるところあなたの資産を投資することが正しいのでしょうか?
それは違うと考えています。その後の値動きに耐えられなくなる大きな要因になりうるからです。
あくまで一般的でおおざっぱなものですが、資産の値動き(リスク)の大きさの順番は債券<REIT<株式<FXであるという事は最低限覚えておくべきです。
さらに債券、REIT、株式に関しては、国内のものと外国のものがあり、為替の影響を受ける分、国内<外国(先進国)<新興国と考えておきましょう。
そして、「自分」がどれだけのリスクに耐えられる人間か、同時に「投資額」がどれだけのリスクに耐えられる金額かを見極めて投資すべき商品を選ぶことが大切です。
リスク許容度という考え方
資産や商品ごとの一般的なリスクの違いを知ってから考えるべきは、「自分」と「投資額」のリスク許容度です。
1つ目の判断基準は、「投資期間」です。年齢や金額を考えて少し置いておいても差し支えなければ、ある程度リスク許容度は高いと判断します。
2つ目は、「資産状況」です。貯蓄が潤沢であれば良いのですが、そうでなければリスクの取り過ぎには要注意。
3つ目は、「知識」です。前段の順番を正しくつけられなかった、リスク・リターンの意味を正しく理解していなかったという方は値動きの大きなものに大金をつぎ込むのは心配です。
4つ目は、「性格」です。投資する方のなかには、例え100円でも値下がりしたら夜も眠れなくなってしまうという方もいるので、自分がどういう性格かも考える必要があります。
以上4つの観点から、「自分自身」と「投資額」がリスクに強いかどうかを判断しましょう。投資をギャンブルと考えるのなら話は別ですが(笑)。そうではなく資産形成として考えるのであれば、大切なのは「リスク許容度」という考え方なのです。
(文/ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 川部紀子、記事提供/株式会社エスタイル)
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