税理士は会社の投資判断について、財務の観点から意見を求められることが多い職業。なかでも最近、業種、会社の大小にかかわらず、関与先から可否判断を尋ねられることが多くなった事業があります。それは、太陽光発電設備の設置です。
固定価格買取制度で利回りアップ
会社が行う太陽光発電は、自社で使用する電力をつくり、電気代の節約や非常用電源として期待することはもちろん、固定価格買取制度のスタートとともに、もっぱら利益を目的とした、投資としての魅力が増しました。
多くの会社が手がける事業として類似点が多いものに、アパート・マンション経営があります。ただ、アパート・マンション経営は、空家率など売上に関する不確定要素が多く、投資シミュレーションに困難があります。一方、太陽光発電は、固定価格により投資判断材料となる利回り、キャッシュフローを算出しやすいという特徴があります。
節税商品としても利用される太陽光発電
税理士としては、やはり発電設備の購入費の税務上の取り扱いについてしっかりと知識を得ておきたいところです。とくに、太陽光発電設備の購入費用を取得事業年度に即時償却できる制度が適用できるか否かが重要です。
即時償却を受けるためには、青色申告事業者であること、出力料が10KW以上の設備であることなど、一定の要件を満たす必要があります。節税として、投資として肝になる部分ですので、確実に理解する必要があるでしょう。
また、大きな設備投資となるだけに、資産税では自社株評価、消費税では仕入税額控除(還付)など、節税の観点から語れるポイントが多く、顧問先の新規参入を支援するために、税理士の役割は大きいと言えます。
設備の普及に、税理士はキーマンとなる
現在、太陽光発電設備の関連会社の営業はかなり積極的です。税理士の方々の中には、業者から、顧客の紹介を含めたアライアンスに関する打診を受けたことがある方もいらっしゃると思います。
しかし、現在一種のブームの状態になっているだけに、発電機器の事業者の中には「必ずもうかる」といった、露骨な言葉で営業をしているケースもあります。営業では、設備の維持費、日照時間などで、甘い見通しを提示される傾向もあるようです。
顧問先から投資についての相談を受けた場合は、中立的な立場を崩さずアドバイスを行いたいもの。税理士が豊富な知識を持っているとは言えない発電技術・コストに関して、信頼できる情報源を得て、独自にシミュレーションができる態勢を築いておいたほうがよいでしょう。
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