REITとは法人です!
近年、資産運用に目を向ける方が増えています。金融機関のパンフレットを見るなど、少しアンテナを張ってみるとすぐに出くわす言葉の1つに「REIT(リート)」があります。でもこの言葉、何のことだか分からない人も多いのではないでしょうか。というのも、「REITって何なの?」という漠然とした質問を受けることが多いからです。今回は、REITについてできる限り噛み砕いて解説していきたいと思います。
結論から書きますと。REITは法人だと思ってください。もっと言うと、普通の法人ではなく不動産の運用を専門に行う法人です。日本では2001年にJ-REITと呼ばれ、2つの法人からスタートしましたが現在約50の法人が上場しています。つまり、今ではREITにより証券会社を通じて約50社に投資することができるのです。
REITの仕組みとお金の流れ
続いて仕組みとお金の流れを解説しましょう。REITは金融機関からの融資や、投資家に投資してもらってお金が流入してきます。REITはそのお金で、賃料収入を見込める物件を購入します。その賃料収入を元に、金融機関に返済をしたり投資家に配当として還元したりします。
上場されているので、投資家はREITを途中で売ることもできます。その時の価値で利益が出るか、損失が出るかが決まります。株式の仕組みと似ている部分もありますが、大きな違いはやはり不動産の運用を専門にやっているということでしょう。
でもあえてREITと呼び、通常の会社と区別しているのは、利益の大部分を内部留保せずに配当として還元することにより法人税の優遇があるという、法的なルールに則っている法人という特徴があるからです。
REITに間接的に投資する方法が「投資信託」
いざ、投資をしようと思っても、50社ほどあるREITからどの銘柄を選べばいいのかという壁にぶつかることになります。また、いくつかのREITに分散投資したいと思っても、複数となるとかなりの金額が必要になります。
そんな時には、手数料はかかりますが、投資信託に投資をするという手段があります。株でも債券でもなくてREITに投資をするタイプの投資信託があり、証券会社でなくても銀行や郵便局での購入も可能です。
皆さんが投資信託を購入すると、「○○アセットマネジメント」とか、「○○投信」といった運用会社が、REITを複数選んで投資をしてくれます。その運用会社に入ってきた賃料収入を元とした配当などから、皆さんの口座に「分配金」として定期的に還元されるものが一般的です。投資信託の値段のことを「基準価額」といいますが、この基準価額が皆さんの買った日よりも値上がりしている日に売れば、元本が増えるということになります。
分配金が多いことは、定期的にお金を吐き出してもらうわけですから、その分基準価額が上がりにくくなることにつながり、そういう意味では、一部批判の対象になっている事実もあります。自分の投資の目的をはっきりさせるには、こういったことを知っておくことも大切です。例えば、長い目で見た資産形成が目的であれば、定期的な分配金に心を奪われる必要はありませんよね。
資産運用に興味を持っている方は、「商品の仕組みを知ること」「投資の目的をはっきりさせること」、この2つを意識してチャレンジして欲しいと思います。
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(文/ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 川部紀子、記事提供/株式会社エスタイル)
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