会計業界の業界動向・トピックス

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【トップ会計人が語る】過去を振り返るための時間を効率化し、未来を考える時間作りを

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株式会社クラビス 菅藤達也氏

株式会社クラビス
代表取締役社長 菅藤達也氏

1978年東京都生まれ。学習院大学文学部卒業後、2001年にゲーム開発会社に就職。その後、2008年にインフォプラント(現マクロミル)に入社。その後、2012年に独立し、株式会社クラビスを設立。

 株式会社クラビスと「STREAMED(ストリームド)」について

株式会社クラビス 菅藤達也氏

私ども株式会社クラビスは「STREAMED(ストリームド)」というクラウド記帳サービスを開発しています。スマートフォンやスキャナで領収書を読み込むと、すぐさまクラウドサーバーに保存され、遠隔地のオペレーターがデータ入力して1日以内にお返しするというサービスです。

元々は個人事業主や中小企業の方に向けた経費精算を自動化するサービスとしてスタートしたのですが、会計事務所が使えるサービスにして欲しいというご要望をいただき、この半年間、開発とテストマーケティングを繰り返しながら、2015年4月15日に会計事務所プランを販売開始することになりました。

これまで一般的だった機械での文字認識(OCR)ですと、どうしても読み込みエラーが多くなってしまいますが、STREAMEDは人が目で見て入力しているので、手書きの領収書でも正確にデータ化できます。4月15日には請求書のデータ化に対応し、5月には預金通帳も対応します。その後も、クレジットカードの明細など対応の幅を広げ、紙から自動で仕訳データを作ることは全てカバーする予定です。

また、スキャナを顧問先のお客様にお渡しすることで、最上流からペーパーレスと自動化が実現できるようになります。お陰様でテストマーケティングにご協力頂いた会計事務所様に応援していただけるようになり、その評判を聞いてくださった方々からも期待を頂けるようになりました。

前職から現在に至るまでの経緯

株式会社クラビス 菅藤達也氏

私の最初のキャリアはゲーム会社でのプロジェクトマネージャなのですが、社会人2年目にバングラデシュで、3年目にはタイのバンコクで開発拠点の立ち上げを担当しました。異なる言語、文化、習慣の中に飛び込み、共通の目標を持って仕事をした経験は、私の仕事や人生の価値観を作る基礎になりました。

次第に企業経営に興味を持つようになり、当時急成長していたインターネットリサーチ会社の経営企画に転職しました。入社当時は160人だったのが、退職するまでの6年間で700人になり、その間に買う側と売る側の両方の立場で経営統合を担当しました。当時は社長、副社長の直属で責任も重く、2日に1冊くらいのペースでビジネス書を読んで知識を補っていました。

充実した毎日でしたが、自分のキャリアで学んだこと全てを活かして、世の中のためになるものを作りたいという欲求が強くなり、思い切って独立しました。私が掲げたテーマはグローバルな視点で企業の生産性改善に貢献することでした。そのため、まずはアジアITの中心であるインドのバンガロールに行き、ITアウトソーシングの実態を視察しました。また、アジア金融の中心であるシンガポールに行き、そこで活躍する多国籍な人々と交流することで大きな刺激を受けました。

このとき、シンガポールの会計士との会話から着想したのがSTREAMEDです。アジアの成長の源泉は仕事の分解とアウトソーシングを使いこなすことだと捉えていたので、会計ソフトより前の工程で、システム化されておらず手作業が多く残っている記帳に着目しました。ヒアリングすると、日本でもシンガポールでも同じように紙を見ながら入力していることが分かったので、世界共通のサービスを作れるかもしれないと思いました。そのため、日本版のSTREAMEDのシステム設計も全て英語で行っています。

貴社のサービスで会計業界をどのように変えていきたいと考えているか?

株式会社クラビス 菅藤達也氏

企業経営において「数字と戦略」は表裏一体だと考えています。私が経営企画をしていた頃、小人数のチームだったので、いかに数字を作る作業を効率化させ、戦略を考えて実行する時間を作れるかが重要でした。そうした本質的なことは、きっと会計事務所にも当てはまると思っています。

STREAMEDのコンセプトは、過去を振り返る時間を短縮し、未来を考える時間を作るお手伝いをすることです。日本の雇用の7割は中小企業で、その多くが会計事務所のことを頼りにしています。私自身も起業して痛感しているのですが、1日24時間の中でいかに現在と未来のために時間を使えるかが、企業の生き残りを決めます。会計事務所が過去を振り返るための時間を効率化できれば、中小企業が未来を考えるためのサポートを今以上にできるようになると信じています。

今後のサービス展開や目標について

 株式会社クラビス 菅藤達也氏

まずは、紙から仕訳データを作る範囲をどんどん広げ、とにかくスキャナに通せば仕訳が出来る状態を目指しています。また、顧問先のお客様がスキャンすることを想定し、会計知識のない方でも簡単に使えて、会計事務所とペーパーレスで繋がる世界を作りたいと思っています。

どこよりも正確に早くデータを作るためのSTREAMEDの裏側の仕組みも強化していきます。記帳という業務を「入力」と「判断」に分解し、入力を数字と日本語に分けることで、9割以上のデータ入力を海外で行えるようにしました。ミス率も1%以下に抑えています。人間が行った作業をシステムが学習して自動化していくため、巨大な集合知のDBが成長していくようなイメージです。

将来はこの仕組みを海外にも展開していきたいと思っています。非常に難しい日本語の領収書を海外で処理する仕組みができているので、是非チャレンジしていきたいです。

カイケイ・ファンをご覧の方に向けてのメッセージ株式会社クラビス 菅藤達也氏

会計事務所の仕事とは、顧問先のお客様の状態を見える化し、その先の道筋を示すという、とても社会的意義のある仕事だと思っています。私たちの開発しているSTREAMEDは、その見える化の部分を効率化することで、会計事務所が付加価値を高める機会を創出したいと考えています。できるだけ多くの方にSTREAMEDをご利用頂きたいと思っています。無料でトライアルも可能なので、是非お試しください。

株式会社クラビス

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