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【会計士Xの裏帳簿】ふるさと納税ランキングにみる勝ち組自治体の特徴

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【会計士Xの裏帳簿】ふるさと納税ランキングにみる勝ち組自治体の特徴

安倍政権が掲げる「地方創生」の一環として利用が後押しされるふるさと納税。4月からは、控除上限額の引き上げ、ふるさと納税で確定申告が不要となる「ワンストップ特例制度」の創設など制度が拡充。そして、総務省は4月3日、同制度に関するポータルサイトを開設し、さらなる推進を図っています。

ふるさと納税ランキングのトップを走る平戸市の先進的取組み

ふるさと納税の寄付額は、年々伸び、絶好調の様相です。そして、注目すべきは寄付の募集の『優等生』とでもいうべき自治体が出現していることです。西日本新聞が2014年12月に取りまとめたところによると、ふるさと納税による寄付額の上位自治体は以下の通りです。

1位 長崎県・平戸市
2位 佐賀県・玄海町
3位 北海道・上士幌町
4位 宮崎県・綾町
5位 島根県・浜田市

1位の平戸市では、寄付金額によりポイントを付与し、ポイント数によって、特産品の海産物をはじめ、米や酒、ホテル割引券や電動バイクに至るまで豊富な返礼品をカタログで自由に選ぶことができるシステムを導入。これらの取り組みにより、2014年12月には、本年度の寄付額が10億円を突破したことを公表しています。

ランキング上位の自治体は、必ずしも全国的な知名度が高い地域の自治体とは限らず、総じてクレジットカードによる決済などの利用のしやすさ、返礼品のラインアップと豪華さで勝負している印象。はっきりといえば、金銭的なお得感の強いところが「勝ち組」となっている現状です。

総務省はふるさと納税制度を後押ししながらも、注意喚起

ふるさと納税に関する自治体の積極的な誘致策の存在を、全国の納税者が知ることになった要因として、ネットのポータルサイトがあることは疑いないところです。返礼品をカテゴリに分けて紹介したり、ECサイトのような「カート」を用意して手軽に決済できるようにしたりと、民間企業ならではの工夫が見られます。

このほど開設された総務省が立ち上げたポータルサイトでも、ワンストップ特例制度の新制度解説や、ふるさと納税による控除額シミュレーションなどのコーナーを設けています。とはいえ、総務省は制度の後押しへの意欲があっても、民間事業者と同じことができるわけではありません。

ここに立ちはだかるのが返礼品に関する税法の問題。4月1日、総務省は返礼品が一時所得になり、50万円を超えれば課税対象になることなどを改めて通知し、ポータルサイトでも「各自治体で行っている返礼品(特産品)送付については、総務省から、寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応を要請しています」と記載しています。

総務省のポータルサイトは今後、コンテンツを充実させ、順次公開していく方針です。税法解釈上の困難とバランスを取りながら、返礼品に関する位置づけについて、どのように取りあげていくのか注目です。

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