税理士試験でモテる科目はあるのか!?
年々、難易度が増しているという税理士試験。その試験を突破するために多くの方が努力をしていらっしゃいますが、実は受験する科目によって評価のされ方が違うという事をご存じでしょうか。言い換えれば、同じ税理士試験科目でも「モテる科目」と「モテない科目」があるということです。果たして会計業界で最もモテる科目は何か?今回はそんな税理士試験科目について注目してみました。
採用の時に最も好まれる税理士試験科目の組み合わせベスト3
【表1:モテる税理士試験科目の組み合わせランキング】
モテる科目の組み合わせとして、やはり王道の簿・財・法・消・所が強いです。この科目パターンは長年業界から支持をされている訳ですが、その理由は「企業も個人も横断的に対応できる理想の科目達だから」とも言われています。
続いて第2位。モテる科目で最近人気急上昇中なのが相続税です。相続税と言えば今年(平成27年)に改正があり、相続税を納める対象者が広まったことで注目を集めています。また、少子高齢化時代を迎えた我が国において、最も資産を持っているのも高齢者です。これからは相続に関する知識を持つ者・持たざる者で知識格差が生まれてしまうのかも知れません。
そして第3位では、まさかの固定資産税が仲間入り。あまり注目をされることのなかった固定資産税ですが、巷では徐々に存在感を強めているのだとか。その背景には近年の相続ブームも影響しているようです。特に都市圏では地主の相続や不動産オーナーの財産承継等、嫌でも固定資産税について知らなくてはならない案件が増加しているようです。
税理士試験のモテ科目は就職先によって違う
さて“モテる科目の組み合わせ”については先程のランキングの通りですが、そのランキングを鵜呑みにしてはなりません。何故ならば、就職する先によって評価される科目が異なるからです。ある分野の事務所ではモテても、他方の分野に強い事務所では見向きもされない、そんなことも生じ得るのです。そこで、下記の図をご覧下さい。
【図1:分野ごとの税理士試験モテ科目】
図1の内容は至極シンプルかもしれませんが、税理士試験を受ける方は是非この図を頭に叩き込んで頂きたいと思います。何故ならば、この図は税理士業界の縮図だからです。
日本で一番マーケットπが大きいのは中小企業支援ですが、その分野は会計科目の基礎的な知識・技術が必要とされます。一方で大企業向けサービスでは、会計的な技術よりも法人税への深い知識が必要です。他方、個人向けのサービスでは資産税業務が拡大中です。特に相続対策・申告の分野になると、法人税の知識よりも相続税や固定資産税の知識が不可欠となります。
ちなみに、事業承継コンサルティングの分野においては、大規模オーナー企業を対象とするケースが多く、相続分野の知識以上に法人周りの知識・技術が要されるようです。このように税理士業界は幾つかの領域ごとに特色が異なるため、選択科目を決める際には、そもそも自身がどのような分野に行きたいのかを考える必要があるでしょう。 そして、あなたが目指す領域において“必要とされる科目”を取ることが出来れば、あなたも「モテ税理士の仲間入り」間違いなしかと思います。
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(文/シニアコンサルタント)