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【トップ会計人が語る】誰よりも学ぶ。そして“今”を全力で生きる。

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森山保氏

マクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社
代表取締役社長 森山 保 氏
(公認会計士/米国公認会計士/日本証券アナリスト協会検定会員)

1994年、東京大学経済学部在学時、公認会計士試験二次試験に合格。同年、太田昭和監査法人(現、新日本有限責任監査法人)国際部へ入所。翌年に大学を卒業。1999年に提携先のErnst & Young LLP ニューヨーク事務所で勤務を始め、その後スターンスチュワート入社にてEVA導入等の財務コンサルティング業務に従事。2002年、野村企業情報(現、野村證券企業情報部)に入社し、企業情報部及び再生プロジェクト室にてM&A及び企業再生業務に関与。その後、2007年にフロンティア・マネジメントの創業に参画し、常務執行役員に就任。2013年、マクサス・コーポレートアドバイザリーを設立。

M&Aコンサルティング業界でミッドマーケットに特化した戦略を打ち出し、クライアントから絶大なる信頼を得ているマクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社。
今回の「トップ会計人が語る」では、代表である森山氏が同社を立ち上げるまでの経緯や、現在のミッドサイズM&Aの業界事情などをお伺いしました。

公認会計士試験受験~監査法人勤務まで

私が東京大学に在学していた頃は、まさにバブルが崩壊しはじめた頃、就職氷河期の真只中でした。そうした時代背景もあったのでしょうか。周囲には官僚や大企業を目指す人も多かったのですが、私は自分自身に専門性を持たせ、何かの分野で一流になることを志向するようになりました。そこで、当時難関資格と言われていた公認会計士試験に挑戦することにしたのです。因みに当時の監査法人の採用市場は完全な氷河期でしたので、私が入社した太田昭和監査法人においても法人全体で同期はわずか40名程。社会人生活をスタートしたのと同時に、景気の厳しさを実感しました。

その一方、同期が少ないということは私にとってはチャンスでもありました。仕事は比較的ハードでしたが、大手総合商社や外資系企業の日本法人、外資系金融機関などの会計監査の他、自ら手を挙げてアサインして頂いた案件も含め、いろいろな仕事が出来たのではないかと思います。その後、提携先のErnst & Young LLP ニューヨーク事務所に勤務し、徐々に会計監査以外の分野にも興味を持つようになりました。それがコーポレートファイナンスの分野だったのです。

金融機関に転職、コーポレートファイナンス分野との出会い

森山 保氏監査法人でも非常に貴重な経験をさせて頂きましたが、その業界を出てみると更に多くの興味深い仕事があることを知りました。

当時、監査法人からスターンスチュワート社に入社し、財務コンサルティング業務に従事していました。そのようなコンサルティング分野もそうですし、次に経験した投資銀行業務では“過去の会計処理”についてではなく、クライアントの未来について考え、提案によってクライアントの行動を変える可能性のある仕事でしたので、仕事のスタンスやクライアントからの要求も監査法人時代とは大きく異なっていました。

また、監査法人と民間企業のカルチャーギャップも多分に理解することが出来たと思います。と言うのも、監査法人は監査契約に基づいて安定的に仕事が舞い込んできますが、民間企業となるとそうはいきません。むしろ各案件がスポットの契約となりますので、常に新規の案件を開拓していく必要があるのです。その為、野村証券ではM&Aや事業再生に関する最新のノウハウやスキルを習得できたことも大きかったのですが、何よりも“サービス提供者としてクライアントの要望に常に応え続ける”という働き方・あり方に出会えたことが貴重な財産になったと思います。

フロンティア・マネジメント株式会社の立ち上げメンバーとして

野村証券に在籍していた頃、私はカネボウやダイエーといった大規模再生プロジェクトに従事していましたが、それらの案件は当時の産業再生機構のメンバーと一緒に進めていました。ですから、旧産業再生機構のメンバーは同じフィールドで働いていた仕事仲間のような存在だった訳です。そして旧産業再生機構が2007年頃にその役目を終えた際に、上記のメンバーと共にフロンティア・マネジメント株式会社を立ち上げました。立ち上がったばかりの頃はメンバー総出で営業活動も行っていました。メンバーは優秀でも看板がないわけですから、その看板を作り上げることが当初のミッションだったように思います。その成果もあってかクライアントからのリピート案件も徐々に増え、またご紹介で来て下さる新規のお客様も順調に増えていきました。

一方で、フロンティア社はM&Aの専門会社ではなく、どちらかといえばコンサルティング業務が主力の会社でもありましたし、組織が大きくなるにつれて自分自身が最もやりたかった中規模M&Aの案件の代わりに大きな売上が期待できる大規模M&Aの案件を求められるようになりました。そういった流れは会社にとっては成長の表れであり、喜ばしいことなのかもしれませんが、一方で私の中では“中規模M&Aの専門サービスを本格的に提供していきたい”という欲求が日に日に大きくなっていったのです。それがマクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社を立ち上げた背景でもあります。

中規模M&A市場の魅力とは?

実は国内においてミッドマーケットにフォーカスをしたM&A専門のアドバイザリー会社は非常に少なく、洗練されたプレーヤーも少ない状況です。先程も少し触れましたが、アドバイザリー会社は大規模化するほど、メインで獲得するべき案件も大型化していきます。それは、大勢の従業員を雇用し続けるために、少しでもリターンの大きな案件を獲得しなければならないという自然な現象です。つまり、大型の案件には相当数の専門家が集まり、高い精度と専門性を持ってサービスを提供するというスタイルになるわけです。

一方、小規模なM&A案件になると個人コンサルタントや仲介会社がプレーヤーとして多くなる傾向があり、徐々に専門性や精度という点では上記よりも劣るケースが増えていきます。そして、上記のような大型M&A市場と小規模M&A市場の中間にある中堅規模のM&A市場においては、十分な開拓がされていないというのが現在のM&A業界ではないかと思うのです。

因みに中規模M&A市場で対応をさせて頂くお客様は、小規模な上場会社や年商の比較的大きな非上場企業や、中堅規模の案件を実施する大手上場会社が多く、規模は小さくても相当な専門性を求められます。
また、日々やり取りをする方々が経営上の意思決定権を持つ“経営層”になりますので、私共は経営に直結する提案やアドバイスが出来るのです。それ故、ミッドマーケットは非常にやり甲斐と緊張感がある市場だと思うのです。

【図:M&A市場とマクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社の位置づけ】

M&A市場とマクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社の位置づけ

設立当初から業界で圧倒的な成果を出せている理由とは?

弊社は少数精鋭ながら社内にM&A業界で豊富な経験を積んだ公認会計士や税理士が複数名在籍しており、M&Aの戦略から財務・税務DD、企業価値評価まで一貫した助言業務が可能となっています。また、大手監査法人や金融機関等を株主としていないため、あくまでも中立的な視点・立場で経営陣に現実的な助言が出来る点も特徴かと思います。従って、お客様からも単なるM&Aアドバイザリー会社としてではなく、経営パートナーとして当社を選んで頂いているケースが多いと感じています。

例えば、以前売り手側について助言をしていた案件が成約した後に、当時の買い手から新規の依頼を頂くこともあります。このようなケースは決して多くはありませんが、本当に信頼を頂けたからこその成果だと思っています。
M&Aの仕事は一攫千金が出来て儲かると思っている方も少なくないようですが、それほど簡単な業務ではありません。当社の場合は短期的なお付き合いではなく、あくまで中長期のお付き合いを重視しています。そして、毎回最高のサービスを最高のメンバーで迅速に提供することをモットーとしています。そういったことをお客様にご評価頂いた結果として、M&A業界ではかなりのハイペースで案件の受注が出来ているのではないかと思うのです。

【実績:参考データ】トムソン・ロイター発表「M&Aリーグテーブル(日本M&Aレビュー ファイナンシャル・アドバイザー 2014年第4四半期)」 

M&Aリーグテーブル(日本M&Aレビュー ファイナンシャル・アドバイザー 2014年第4四半期)  

カイケイ・ファンをご覧の皆様に一言

森山 保氏

今回、私が皆様にお伝えしたいのは「将来のキャリアパスを考えすぎて、新しいことにチャレンジしないよりも、今ご自身が興味関心を持っていることに少しでも近づく努力をして頂きたい。」ということです。誰も今後の先行きなど分かりませんし、将来を予測しても当たるとは限りません。そうであれば、どのようなことでも良いので“あなたが面白いと感じること”に全力で挑戦して頂きたいと思うのです。

また、新しいことに挑戦したいという方の中には、本気でそのように思っている方と、上辺だけそのように言っている方に大きく分かれるように思います。敢えて厳しいことを申し上げますが、最近は後者のタイプが圧倒的に多いように感じます。新しいことに挑戦をする際には、その分野の事を徹底的に調べ、勉強していく“姿勢×行動”が必要です。「M&Aアドバイザーをやりたい!」と言いながら、面接の際に「具体的にはどのような仕事をするのですか?」というような準備不足の状況ではプロフェッショナルな世界に入る姿勢としては足りないと思うのです。そういった意味で挑戦志向のある方には「まず、誰よりも大量のインプットをしなさい。」と言いたいですね。

専門家にとってインプットするプロセスは必須ですから、まずはインプット=勉強することから始めて頂きたいと思います。本当に勉強をした人、勉強し続けている人は結果として新しい分野でも活躍できると思いますので、是非、皆様の人生が有意義なものになるよう“今”を大事にして欲しいと思います。

マクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社

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