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【コラム】将来、仕事がなくなる? Big4の存続への対抗策とは

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【コラム】将来、仕事がなくなる?Big4の存続への対抗策とは

英国のオンライン誌「economia」では、Big4のひとつ、英国Ernst & Young(以下EY)アシュアランス事業部マネージングパートナーのハイウェル・ボール氏が、「新しいテクノロジーがこれまでの業務の手法に大きく影響を及ぼすことで、会計専門職者の将来が、危機に瀕することになる」と警告していることを紹介しています。

同氏は2014年に発表された、英国オックスフォード大学で人工知能などについて研究するマイケル・A・オズボーン准教授と同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員との共著「雇用の未来――コンピューター化によって仕事は失われるのか」についても触れ、「2030年までに会計や監査といった専門的な仕事でさえ、コンピューターに置き換えられるリスクは95%ある」「テクノロジーの速度に対する業界のイノベーションのペースは遅く、会計専門職者たちはその点について自覚しないまま、崖に向かって進んでいるようなものだ」とも述べています。

一体、コンピューターの何がこのような状況を引き起こしているのでしょうか?

変化を引き起こしたモノとは

変化を引き起こした一番の要因は、ビッグデータの成長です。大規模データの集積物であるビッグデータの取捨選択・解析により、将来の様々な予測に活用できるようになったことで、非ルーティンとされていた作業のルーティン化が可能になりました。

調査会社IDC Japanが今年5月に発表した、国内ビッグデータ・テクノロジー市場の2014年の分析結果と今後の予測によれば、2014年の同市場の規模は444億円、前年同期比39.7%増となりました。2019年の市場規模は1,469億円にまで伸び、また年間平均成長率は27.0%になることが予測されています。

前出のオズボーン准教授によれば、「ロボットが完全に人間の知能を手に入れるにはあと50年はかかるといわれているが、その過程で、多くの仕事がロボットに置き換えられていくという脅威にさらされることがわかってきた」ということで、まさに我々はその置き換えの過程の中にいるということなのです。

Big4の対抗策

このような変化に対抗するため、EYは、同社の採用プログラムを大幅に変更しました。これまでの「会計士試験に受かる人材」以外に、採用予定人員の3割を「データサイエンティスト、エンジニア、そしてビッグデータやその分析方法の知識を有する有能な人材」に充てると示唆しています。

PwCは、2014年6月に企業のビッグデータ活用に関する専門組織「アナリティクスセンター」を設置し、コンサルティングサービスの提供を開始しました。

デロイトも、アナリティクスを活用したコンサルティングサービス「デロイトアナリティクス」を立ち上げ、日本では10月1日から「レポーティングガバナンスサービス」を開始しました。ビッグデータを活用しながら経営判断に必要な情報の体系整備・活用のコンサルティングサービスを提供し、レポーティング業務の改善・経営上の意思決定の仕組み改善などを通じてコーポレートガバナンス向上を支援するねらいです。

KPMGは、英国の大学内にビッグデータの観測所を設置し、欧州最大規模ともいわれる32台のコンピュータによって稼働する64台のモニターが、円周状の壁をつくり、サイバー通貨の取引、住所移転のパターン、通勤者の動きなどのビッグデータを視覚化する設備を稼働しています。

日本の調査会社「アイブリッジ株式会社」が2014年11月、500名の男女に行った「20年後にはなくなっているかもしれないと思う仕事」のアンケート調査によれば、会計士は18位にランクされていました。「せっかく難関試験を勝ち抜いて得た資格なのに、15年後にはこの仕事だけでは食べて行けなくなる」ということにならないためにも、新しいテクノロジーの習得は必要不可欠なようです。

 

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