平成27年度(第65回)税理士試験の結果発表がありました。 今年の税理士試験は、受験者数、合格者数、合格率ともに、昨年を下回る結果となっています。その結果・概要についてご報告いたします。
税理士試験の受験者及び合格者数推移
平成27年度(第65回)税理士試験の受験者数は38,175名と昨年よりも2,856名減少。 一方で、合格率は昨年よりも1.3%高くなり18.1%となりました。 また、官報合格者は直近の5年間で最も少なく835名となったものの、一部科目合格者数は昨年よりも68名増え6,067名となりました。
≪ポイント≫
・税理士試験の受験者数は直近の5年間で最も少なかった。
・官報合格者数の減少が目立つ一方、一部科目合格者数は微増した。
・合格率は以前の水準に回復した。
2015年税理士試験 年齢別の合格者数と合格率
税理士試験の合格率は各世代共に昨年よりも高くなっています。特に25歳以下の受験者に関しては3年ぶりに30%を超える結果となりました。一方、気になる税理士試験の受験者数ですが、各世代共に昨年の水準を下回っています。特に26~30歳、31歳~35歳の層で税理士試験の受験者は大幅に減少しており、26~30歳では前年比-913名、31~35歳では-884名と全体の受験者数減少に大きく影響していることが分かりました。
≪ポイント≫
・合格率は回復したものの、受験者数は減少の一途を辿っている
・特に若年層の税理士試験離れが顕在化してきている
科目ごとの合格率について
今年の科目ごとの合格率は、簿記論が18.8%と大幅にアップ、一方、財務諸表論に関しては昨年から2.8%下げ15.6%となりました。また、気になる法人税法は昨年から更に下がり11.1%、今年改正があった相続税法は0.5%アップし13.4%となりました。その他の科目に関しては下記の通りです。
≪ポイント≫
・科目ごとの合格率は概ね回復傾向にあるが、財務諸表論と法人税法はマイナスへ
・改正があった相続税法の合格率は若干アップ
・受験者数の多い消費税法は大幅に合格率アップ
来年の税理士試験、気になるスケジュール
次回の税理士試験の実施は8/9~8/11の予定です。8月下旬の試験実施が定着するかと思いきや、以前のトレンドに逆戻りする結果になっています。平成27年度の税理士試験は「試験日程の後ろ倒し」「新しい試験会場の選定」「合格者数の減少」など話題性に富んだ結果になりましたが、来年はどのような動きを見せるのでしょうか。今後の動向から目が離せません。
※参考:国税庁HP
「平成27年度(第65回)税理士試験結果」
「平成28年度(第66回)税理士試験実施スケジュールについて(予定)」
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(文/シニアコンサルタント)