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【コラム】インボイス方式を活用した台湾のユニークな事例

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【コラム】インボイス方式を活用した台湾のユニークな事例

2015年12月2日、自民・公明両党は2017年度の消費税軽減税率の導入に伴い、4年間の準備期間を設けた上で、2021年度よりインボイス方式を導入する方針を固めました。

与党税制改正大綱に盛り込むことを考えており、現在はどこまで対象品目を広げるか協議が進められています。

インボイス方式とは、課税事業者が発行するインボイスに記載された税額のみを控除できる方式です。諸外国では脱税防止の目的で導入されたインボイス方式が既に定着しており、適正な納税のために不可欠な制度となっています。

税率が上がるうえに事務コストの負担が増えるなど、課税事業者や消費者にとってあまり良い印象のないインボイス方式の導入ですが、ここでは台湾のユニークな制度についてご紹介します。

台湾のインボイス方式とは

台湾の営業税(消費税)制度では、台湾域内で発生したモノの販売、サービスの提供、物品の輸入などに際し5%の税金が課されます。

台湾のインボイス方式は、「統一発票」という書式が使われます。

一般的に利用される手書き用の三枚綴りの他に、コンピューター式、レジ式などがあり、それぞれ連番が振られています。レジ式は、デパートやコンビニ等で購入した際のレシートが該当します。

納税事業者は所轄の税務署から統一発票を購入しなければならず、また税務署もどの納税事業者が何番の統一発票を購入したかの記録を残しているので、統一発票を発行しているのに納税がされていないとすぐにばれる仕組みになっています。2カ月分を一括して申告・納付することが義務付けられています。

 脱税を防ぐ工夫

脱税を防ぐために、2カ月ごとにこの連番に対する宝くじが行われています。
当選金額は特別賞の1,000万ニュー台湾ドル(約3,700万円)から、6等の200ニュー台湾ドル(約750円)まであり、当選した場合には外国人旅行者であっても受け取り可能。

誰もが統一発票をとっておき、2カ月に1回、沢山の統一発票から当たりはないだろうか? と楽しんでいるようです。

下等賞金については、台湾の郵便局で換金ができ、外国人旅行者でも、当選の統一発票と身分証明書を持参すれば、すぐに換金できます。

1951年に始まったこの制度も、目的は脱税防止でした。当時は領収書を発行する商習慣がなく、自主申告による納税だったため、脱税が容易でした。

しかし制度導入によって、5,500ニュー台湾ドルだった税収が翌年には76%もアップし、その効果は絶大でした。

国民も制度に好意的で、購入金額によって当選金額が変わらない点が人気の一つのようです。また、統一発票を使った寄付も受け付けており、膨大な量の統一発票を、ボランティアがコツコツと確認するそうです。

楽しみながら脱税防止のサポートができ、しかも寄付も可能な台湾の統一発票制度。日本での実現は難しいのかもしれませんが、旅行の際などにチェックしてみるのはいかがでしょう?

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