近年、上場企業を中心に公認会計士や税理士を対象とした“資格者採用”が盛り上がりを見せている。また、投資銀行やファンド等でもポテンシャル人材として公認会計士が採用されるケースが増えている。こうした資格者にとっては有難い転職市場は、今後も続くのだろうか。今回の会計トピックスでは、公認会計士や税理士を採用ターゲットとしている企業の動き、そしてその背景について解説したい。
公認会計士、税理士を積極的に採用している企業は年々増加!
2013年の後半から一部上場企業や金融機関を中心に業績が上向いてきたことで、それらの企業群は新規事業への取り組みを積極的に行ってきた。例えば、海外事業の強化や事業拡大のためのM&A、会計や業務システムのリニューアル等はそれに該当する。
加えて、近年加速度的にIFRSの導入も進んでいることから、会計を取りまとめる部門は今までの人員体制では耐えられない状況になっているのだ。
そこで企業は挙って企業での経理実務経験者を募集しているのだが、現状としては即戦力の経理経験者を採用出来ている企業は少ない。そこで注目が集まっているのが公認会計士や税理士といった会計スキルを身に付けている資格者だ。
上場企業からオファー続出、資格者を歓迎するスタンスの企業も目立つ
上記のように企業の経理部門への業務負担は年々増している状況だ。中でも海外事業を強化している企業では、海外子会社数の増加に伴い海外連結対応の強化が急務となっている。
また、M&Aを進めてきた企業でも、連結決算・グループ会計の処理に手を焼いている状況が散見される。つまり、簡単に言ってしまえば企業も人不足なのだ。
因みに、現在、公認会計士や税理士を採用ターゲットにしている企業は増加の一途を辿っており、中でも大手商社やメーカー、金融機関などでは“公認会計士歓迎”や“会計事務所出身者も積極的に面接します”というスタンスで求人を出していることも珍しくない。
※既に社内に資格者がいる場合、採用側も資格者への採用ハードルが下がると言われている。
内定バブルはいつか終わるのか?
公認会計士や税理士に向けて企業の経理部門から続々とオファーが出ているが、この流れはいつか終わってしまうのだろうか。筆者はこの内定バブルは長くは続かないと見ている。
何故ならば、一部上場企業や大手商社、金融機関などで人材不足が顕著になっているのは事実だが、ニーズはいつか必ず埋まっていくものだからだ。
また、日系企業の景気は良くも悪くも世界の景気動向と関連しているため、何処かの国で経済が崩壊したり、第2のリーマンショックのような大激変が生じれば、多くの日本企業が攻めの経営から守りの経営にシフトするはずだ。
そうなれば、積極的な採用活動を行っている企業も方針を変え、リストラに転じる可能性さえある。だからこそ、現在のように恵まれた転職市場は“旬な食材と同じ”なのだ。
現在、一般企業への転職を考えている方にとって、今の市場は美味しいうちに食すのが賢い選択だろう。
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2016年、経理財務職の転職市場はこうなる!?(前編)
http://www.kaikeinet.com/topics/20160217-20285.html
2016年、経理財務職の転職市場はこうなる!?(後編)
http://www.kaikeinet.com/topics/20160218-20339.html
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(文/シニアコンサルタント)