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【コラム】未成年者飲酒禁止における国税庁の取り組み

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【コラム】未成年者飲酒禁止における国税庁の取り組み

毎年4月1~30日は「未成年者飲酒防止強調月間」となっています。
これは、2000年に決定された「未成年者の飲酒防止等対策及び酒類販売の公正な取引環境の整備に関する施策大綱」に基づき、2002年より定められました。
この期間中、関係省庁は全国的に広報啓発活動を行い、未成年者飲酒防止に関する意識を高めようとしています。
ここでは、未成年者飲酒禁止における国税庁の取り組みについてご紹介します。

パンフレットの作成・配布

入学・入社シーズンである4月。新入生・新入社員歓迎会などで無茶な飲み方を強いられた結果、未成年者が過度の飲酒により急性アルコール中毒で死亡するニュースをたびたび目にします。

国税庁では、未成年者が「なぜ自分たちはお酒を飲んではいけないのか」を理解できるよう、「未成年者がお酒を飲んではいけない5つの理由」というパンフレットを作成・配布しています。
パンフレットには、以下の5つの点が分かりやすく図を用いて説明されています。

(1)脳の機能を低下させる
未成年でアルコールを飲み始め、それを続けると、うつ状態になったり、学習能力や集中力、記憶力の低下を起こしたりする可能性があります。

(2)肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくなる
未成年者はアルコールを分解する酵素の働きが未完成なので、大人と比べると短期間でさまざまな臓器障害を引き起こす危険性があります。

(3)性ホルモンに異常が起きるおそれがある
長い間、大量にアルコールをとり続けていると、性ホルモンの異常が起こりやすくなるそうです。成人でもこのような害があるのですから、成長段階にある未成年者に悪影響があるといっても過言ではありません。

(4)アルコール依存症になりやすくなる
20歳代のアルコール依存症の人たちを調べたところ、約18歳で習慣として飲酒を始めたという結果が出たそうです。このように、未成年で飲酒を始めるとアルコール依存症の危険性が高まります。

(5)未成年者を守るために飲酒を禁ずる法律がある
未成年者が飲むことを知りながら、アルコール飲料を販売、または供与した場合の営業者に対して、50万円以下の罰金が科せられます。
さらに酒税法の改正により、「酒類販売業者が、未成年者飲酒禁止法違反により罰金の刑に処せられた場合には、酒類販売業免許の取消要件に該当する」とされました。

スローガン・ポスター募集による啓発

酒類小売販売店や酒類を提供する飲食店向けには、未成年者への酒類提供と飲酒防止の徹底を図るための「未成年者飲酒防止啓発ポスター」の掲示を促しています。

この他に、ビール酒造組合主催の「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」を後援し、学校や学生たちにも未成年者飲酒防止運動への参加を呼びかけています。
これはあえて中学生・高校生を、スローガンやポスターの発案・デザインのキャンペーンに参加させることで、自身の飲酒防止に対する関心を高め、未成年者の飲酒が及ぼす健康への弊害などの理解促進に役立つと考えられています。

酒類販売業者へ対する取り組み

酒類販売業者に対しては、未成年者に酒類を販売しないよう指導するのはもちろんのこと、酒類の陳列場所には「酒類の売場である旨を表示する」及び「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」よう指導しています。

また小売業者には、販売場ごとに「酒類販売管理者」を選任することが義務付けられています。「酒類販売管理者」は、酒類の適正な販売管理の確保を図るため、酒類の販売業務に関する法令を遵守した業務が行われるよう酒類小売業者に助言をしたり、酒類の販売業務に従事する従業員等に対して指導を行ったりする者を指します。「酒類販売管理者」が長時間不在となる場合などは、代わりとなる責任者を指名するよう指導しています。

さらに、誰でもアルコール飲料が購入できる、従来型酒類自動販売機の撤廃に向けた自主的な取り組みの推進を促し、 撤廃決議直後である1996年は設置台数が全国で185,829台でしたが、2015年には3,907台になっています。

東京消防庁の資料によれば、2015年に急性アルコール中毒で救急車搬送された未成年者数は477人でした。
特に、コンパや新入生歓迎会などで場を盛り上げるための「イッキ飲み」が大きな原因となっているようです。
国税庁の取り組みにより、未成年に飲酒をさせない環境づくりが広がり、悲しいニュースが少しでも減ることを願わずにはいられません。

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