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【コラム】世界でも屈指の高額。デンマークの税制とは?

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【コラム】世界でも屈指の高額。デンマークの税制とは?

税制は国によって大きく違いますが、中には他国と比べて飛びぬけて高いことで有名な国も存在しています。ハンガリー、アイスランドに次いで高い消費税が課せられているデンマークもその一つです。
デンマークでは、具体的にどれだけの税金が課せられているのでしょうか。また、高い税金を課せられていることを、国民はどう感じているのでしょうか。

調べていくと、日本とデンマークの税金に対する印象の違い、さらには自国に対する意識の違いまで見えてきました。

日本とはまるで違うデンマークの税制の中身とは?

デンマークで課せられている、主な税金を紹介しましょう。
まずは、買い物をする時の消費税ですが、食料品も含めて、すべての商品に25%の税金が課せられています。
次は直接税です。所得税は住んでいる地域によって差があるようですが、所得総額が39万クローネ(約580万円)以下の場合は平均して25%、さらに住民税が平均25%、医療付加税が8%の合計最大52%もの税金が課せられます。しかし所得総額が39万クローネ以上になると累進税率が適用されることになり、さらに高い直接税を支払わなければいけません。所得税+住民税+医療付加税の合計が最大68%になり、これを払うことになります。
さらに驚いてしまうのは自動車税です。一台あたり180%の税率が課せられます。

このように、デンマークでは日本とは比べ物にならないほど多くの割合で税金が課せられている上、CPRナンバーといういわゆる国民総背番号制度が取り入れられ、脱税できないように厳しく管理されています。

しかし、デンマークの国民にとって高い税金が苦になっているのかといえば、そうとは言い切れません。高い税金を支払うだけのメリットがきちんと存在しているのです。
例えば、デンマークでは医療費、出産費、教育費が基本的に無料となっています。街はバリアフリーが行き届いており、小さい子どもを連れた親やお年寄りでも安心して外に出られます。こうしたサービスが充実していることから、デンマークは高福祉国家としても世界的に有名です。高い税金を支払わなければいけないものの、それが自分たちの生活に還元される仕組みができ上がっているというわけです。

国民の意識が支えている税制

「自分たちに還元されるとはいっても、税金が高いことを不満に思っている国民も多いのでは?」なんてことを思ってしまいます。しかしデンマークの国民の多くは、納得した上で税金を支払っています。

その理由の一つに、デンマークの政治が関係しているともいえます。デンマークは国会議員の数が少なく、とても低い給料で働いています。地方議員にいたっては給料もなく、別の仕事を持ちながらボランティアで政治を支えているのです。自身の利益を優先することなく、純粋に国民のための政治を行っています。
こうした議員をはじめ、国民全員にボランティア精神が根付いているからこそ、誰もが納得して税金が支払えるのでしょう。

現在、デンマークでは高い税率のおかげで、教育費や医療費の無料など社会保障が充実していることが逆に仇となり、離婚率が高く、結婚をしない一人暮らしの人が増えています。そのため、孤独に悩まされ精神的な不安を抱えている人が増加するといった問題も出てきているようです。

それでも高い税金を支払うメリットを多くの国民が実感しているのは、魅力的な国の姿といえるかもしれません。日本がこの仕組みを真似するのは難しいでしょうが、国民が満足できる税制に少しでも近づくために、見習うべき所も多いように思います。

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