2016年8月9日~11日の3日間、第66回税理士試験が実施されます。
因みに、今年の税理士試験の受験申込者数は44,044名と昨年よりも約3,000名減となっています。今後、税理士試験を受ける方は減り続けてしまうのでしょうか。今回の会計トピックスでは過去7年間の税理士試験受験申込者数を振り返りながら、税理士試験の今後を考えてみたいと思います。
受験申込者数減少は今に始まった話ではない
2016年、税理士試験の受験申込者数は昨年よりも約3,000名少ない44,044名でした。
1年間で3,000名も申込者数が減っているのは衝撃ですが、この傾向は今に始まった話ではありません。むしろ、受験申込者の減少は過去7年間、連続して減少しているのです。
グラフ1の通り、実は税理士試験の受験申込者数は過去7年間、減少し続けているのです。因みに、7年前の受験申込者数は62,996名、今年の申込者数は44,044名ですので、10年にも満たない期間で税理士試験の受験申込者数は18,952名も減少してしまったことになります。
このまま減少すると13年後には受験者は消滅?
上記の通り、この7年間で税理士試験の受験申込者数は18,952名減っていますので、1年ごとの受験者数は平均して約3,158名減少していることになります。
※1年間辺りの平均減少人数 18,952名÷6=3158.6名
また、もし年間3158名ずつ受験申込者数が減った場合、2029年には2,982名、そして2,030年には遂に申込者数が底を付くことになります。もちろん、税理士試験を受験する方が0名になることはないと思いますが、このペースで受験申込者が減れば、確実に税理士試験自体が破綻することになるでしょう。
まだ希望はある!税理士業界のパラダイムシフトは始まっている。
税理士試験の受験申込者数は減少傾向にありますが、筆者は途中で受験者数が回復するのではないかと見ています。
日本税理士会連合会によると、平成28年6月末時点で税理士登録をされている方は、全国で75,571人。そのうち50%以上は60代以降ですので、業界全体が高齢化をしていると言って良いでしょう。また、上記のような高齢化した税理士はいずれ引退をしますので、10年~20年の間には業界で税理士不足が顕在化するはずなのです。無論、現時点でも業界で人材不足が叫ばれていますので、若手の税理士をどのように創出していくか本格的に議論をされるのも時間の問題でしょう。因みに、平成26年度第6回税理士実態調査報告書(日本税理士会連合会)によると、20代と30代の税理士は全世代の11%にも満たない状況だそうです。
上記実態を加味すると、これから若手の税理士には確実にプレミアが付くと言えるでしょう。そして最終的には若い世代に顧客・主導権が移っていきますので、これから税理士を目指す方にこそメリットがあるようにも思います。いずれにしても、今後の税理士業界から目が離せません。
【参考】
平成26年度第6回税理士実態調査報告書 – 日本税理士会連合会
http://www.nichizeiren.or.jp/suggestion/siryo-1/15.pdf
日本税理士会連合会 – 税理士登録者数
http://www.nichizeiren.or.jp/cpta/about/enrollment/
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(文/シニアコンサルタント)