売り手市場に転じて早くも3年程が経ちました。以前ように“転職回数が多いと無条件に不利”という時代は終わり、今では経験値や人柄などが問題なければ採用の土台に乗ることが多くなってきています。また、採用のハードルを下げる動きを取る会社も増えており、転職回数に関してもそこまで気にしない会社は増えてきているようです。
とは言っても転職回数は求職者側も気にしているようです。現在の転職市場では何回まで転職回数は許されるのでしょうか。今回は公認会計士や税理士といった専門士業の業界に絞って上記内容について解説をさせて頂きたいと思います。
買い手市場では転職回数は1~2回まで。 売り手市場は?
皆さんもご存知の通り、リーマンショックや東日本大震災など経済的にも厳しい時期の転職市場では、監査法人や税理士法人でもリストラがあり、人員削減の方向に向かっていました。その際の転職市場は完全に買い手市場、求人数に対して求職者が多い“採用側に有利な転職市場”だったと言えます。そのような転職市場では、1つのポジションに大勢の応募が集まってしまうため、転職回数や業界経験、実務経験、専門性、入社可能なタイミングなど、採用側のニーズに合致する方を厳選して採用するような時代でした。特に、採用の現場では転職回数を気にする傾向があり、実際に転職回数も1~2回程、出来るだけ若年層をターゲットとした求人が多かったように思います。
では、現在のような売り手市場ではいかがでしょうか。現在のように求人数が多く、求職者数が少ない転職市場のことを売り手市場と言いますが、こういった市場の場合は監査法人や税理士法人としても人繰りに苦労をしています。以前のように転職回数や実務経験、業界経験といった点に注視してしまうと、優秀な人材を採り損ねてしまう可能性も高く、結果として求職者の人間性、最低限の専門知識、入社意欲があれば前向きに検討するような動きになっています。因みに、このような転職市場であれば転職回数が3~5回程ある方でも、即戦力性が高い人材であれば十分採用をされる可能性あると言えるでしょう。
転職回数が多いと不利になるのか?
上記では採用側が求職者に求めるハードルも下がっているために転職回数に関しても緩和されていると申し上げましたが、採用側も実際のところは転職回数が多い方よりも少ない方を好む傾向はあります。また、個人会計事務所では所長が採用の窓口を兼任していることもありますので、所長のスタンスとして転職回数の多い方を敬遠する場合は、どうしても不利になると思います。
ただ、実際に採用側の立場になってみると募集をしているのに応募者が集まらないこと自体に不安を覚えるようです。特に現在の会計業界においては即戦力の人材を採用することが以前よりも難しくなっており、人材の確保自体が経営課題になっている場合も少なくありません。そのような状況を考えると、転職回数に対する見方は緩和されている(更に緩和されていく)と言っても過言ではありません。
転職回数は何回まで許されるのか?
では、実際の転職市場において、転職回数は何回位までであれば受け入れられるものなのでしょうか?あくまで筆者の感覚ですが、20代であれば2~3回、30代であれば3~4回、40代であれば4~5回というイメージではないでしょうか。
会計事務所の業界は一般企業と比べて人材の流動性も高いため、転職回数に対しても許容範囲が広い印象です。但し、転職理由や年齢相応のスキルがしっかりとしていない場合、いずれにしても事務所からは厳しい評価を受けることになるでしょう。
そういった意味では転職回数が多い方は、面接でどのように転職理由や退社理由を述べるのか、そしてどのようにポジティブなイメージを持っていただくかを考えながら、面接をに臨まれると良いでしょう。
現在のように、求人数が多い転職市場だからこそ自分自身のキャリアをデザインしやすい状況です。なりたい自分に近づくために転職も検討しようという方、是非、今回のトピックスも参考にしていただければと思います。
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(文/シニアコンサルタント)