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【コラム】日本政府主導のTICADとアフリカの将来

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【コラム】日本政府主導のTICADとアフリカの将来

8月27日から2日間、第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)が開催されました。TICAD(Tokyo International Conference on African Development)は、アフリカの開発をテーマとする国際会議で、1993年から日本政府が主導で、国連、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)及び世界銀行と共同で開催しています。
これまでは5年に一度の割合で東京と横浜で開催されてきましたが、今後は3年に一度となり、6回目となる今回は、初めてアフリカのケニアで開催。最後の大市場と呼ばれるアフリカで、日本政府・日本企業はどのような取り組みをしているのでしょうか。

成長の潜在力の高いアフリカ市場

資源価格の下落と低迷で、原油や銅鉱石などの産地であるアフリカの経済は失速しました。世界銀行の資料によれば、2015年のサブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南の地域)の成長率は、主に石油をはじめとする商品価格の下落を反映し、2014年の4.5%を下回る4.1%となる見込みです。しかし、人口増加率のペースが年2%前後と世界平均を上回り、成長の潜在力は高いと見込んでいます。
アフリカ開発銀行は「1日の総収入が4~20ドル」と定義する中間層が、2020年にアフリカの全人口の3割を超える約4億3,470万人に達すると予測し、2010年より23%増えると見込んでいます。非石油部門、特にサービス部門では成長が続き、2016年以降の成長率を押し上げると見られています。

また、欧米で教育を受け、ビジネスなどの経験を積んでアフリカに戻ってきた20~30歳代の若者、通称「チーター世代」も多く、主にIT(情報技術)と金融の分野において、欧米で手に入れたスキルやビジネス上のネットワークを生かしながら、アフリカのビジネスを牽引しています。

日本政府の取り組みとアフリカに進出する日本企業は

日本政府はアフリカ開発において、アフリカ諸国の「オーナーシップ」と、国際社会による「パートナーシップ」の重要性を提唱しています。また、TICADの中にアフリカ諸国のみならず、開発に携わる国際機関、パートナー諸国、アジア諸国、民間企業、市民社会も参加するマルチな枠組みをつくり、アフリカの開発には何が重要か、議論を繰り広げてきました。

首脳会合では公約を発表し、その実施状況を閣僚級会合で確認するなど、フォローアップのシステムも構築しています。
このような背景を踏まえ、多くの企業がアフリカに投資しています。これまではその豊富な資源への投資が中心でしたが、IT関連の投資も目立っています。

レックスバート・コミュニケーションズ株式会社(東京都千代田区)は、関連会社のWiredin 社(ルワンダ共和国キガリ市)において、オフショア開発体制の構築から、実際のソフトウェア開発、アフターサポートまで総合的なサービスを提供しています。Wiredin社の日本法人(東京都千代田区)は、アフリカIT先進国ルワンダの日本市場の受注の窓口として置かれています。
Wiredin社によれば、ルワンダは長く内紛など苦難の歴史が続いていましたが、近年の復興は目覚ましく、アフリカ諸国でもトップクラスの経済成長とビジネス環境の良さを誇っているそうです。ルワンダの開発者の気質は日本人と類似しており、開発を進めながら変更などへの柔軟な対応を求める日本のスタイルとよく合っているとのことです。同社はこうしたルワンダ人の親和性とビジネス環境を生かし、ICT(情報通信技術)分野における日本・ルワンダ双方のビジネスメリットの最大化を目指し、また両国の発展にも貢献しています。

12億人の人口を抱えるアフリカ。TICADを通じ、日本とアフリカ諸国が互いに協力しながら強くなっていくことで、国際社会にその存在感を示せるようにしたいものです。

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