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【コラム】競馬に懸賞……高額の臨時収入があった時、どうする?

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【コラム】競馬に懸賞……高額の臨時収入があった時の対応は?

時折、競馬などのギャンブルと脱税に関するニュースが報道されることがあります。
競馬や競艇などの賭け事をはじめ、公募や懸賞などの賞金は思わぬ臨時収入となるので、「ヤッター! このお金で何をしよう」といった気持ちが先に来てしまいがちです。
しかし、税制上の取り扱いを理解していないと、後で大変なトラブルを招いてしまう可能性があるので、今回は高額な臨時収入に関する税制上の話題を紹介します。

競馬がらみのニュースを2件紹介

2016年10月、大阪府寝屋川市固定資産税課の課長を務めていた男性が、競馬で得た配当金約4億3,000万円を申告せず、約6,200万円を脱税した所得税法違反の疑いで大坂地検に告発されたことが報じられました。税務を扱う立場の人が脱税を行っていたということで、大きな話題となっています。

また、競馬と税制に関する出来事といえば、元会社員の男性が、独自の競馬予想システムを用いて2007〜2009年の3年間で約28億7,000万円分の馬券を購入し、約5億7,000万円を脱税したとして所得税法違反で起訴されたニュースも話題を呼んでいます。この男性は、計約30億1,000万円の配当を得て、約1億5,000万円の利益をあげていました。
弁護士側は「外れ馬券も含めた購入総額こそが必要経費」と反論。2013年の1審、さらに2審の判決で懲役2月・執行猶予2年、課税額については5,200万円となりましたが、これを不服として地検側が控訴。2015年3月の最高裁判決では「外れ馬券は経費」と認定され、執行猶予のついた有罪判決が言い渡されました。

ギャンブルなどで得た収入は税制上「一時所得」という扱いになり、(収入金額-必要経費-特別控除額 最高50万円)という計算式で算出でき、その2分の1が所得税となります。
公募や懸賞などで得られた収入も、同様の扱いとなります。

公認会計士・税理士に求められるのは、適切な確定申告サポート

ギャンブルの収入は領収書がないので、どう証明すべきなのか分からない人がほとんどです。確定申告の方法、税金・節税対策などは専門家である公認会計士や税理士に相談する人もいることでしょう。公認会計士、税理士はこのような相談にも丁寧に応え、サポートすることが求められています。

上文で紹介した3年間で約5億7,000万円を脱税したとされたニュースでは、「外れ馬券の購入費は経費に含まれるのか?」という点も注目されました。国税局は「経費は当たり馬券の購入費のみ」と主張していましたが、結果的に最高裁は「外れ馬券の購入費も経費に当たる」と判断しました。
この裁判が行われる以前は国税局の主張が一般的な考えでした。現在においても、この見解が覆ったとは言い切れません。たとえ利益になるとしても、度を越したギャンブルはトラブルの元になる可能性があるのです。
また、ラスベガスやマカオ、モナコなど海外のカジノで勝ったお金は、「全世界所得課税」という原則に則って課税され、日本での確定申告の必要があります。この際、現地国と日本で二重課税されてしまうこともあるので、注意が必要です。

多くの人にとって、一時所得を意識するのはギャンブルなどで90万円以上の収入を得てからの話です。普段手にできない臨時収入だからこそ、安心して使えるための手助けをするのも、公認会計士や税理士の役割の一つといえるでしょう。

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