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【コラム】仮想通貨購入時の消費税が非課税に? その影響は

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【コラム】仮想通貨購入時の消費税が非課税に? その影響は

10月12日、財務省と金融庁が、仮想通貨の購入時にかかる消費税を非課税とする方向で検討していると報道各社が報じました。
仮想通貨とは、紙幣や硬貨といった「形」自体が存在しない、インターネット上でやり取りする通貨で、金融とITを融合した「フィンテック」の代表的な技術として注目されています。
欧米諸国では、多くが仮想通貨購入時の消費税を非課税としており、国内の仮想通貨の取引所などから「海外での購入に比べて割高になる可能性があり、消費税がかかることが普及の妨げになっている」として、非課税への要望が出ていました。仮想通貨購入時の消費税を非課税にすることで、どんな影響があるのでしょうか?

仮想通貨のメリット・デメリット

仮想通貨で代表的な「ビットコイン」は、その時価総額が世界中で約100億ドル(約1兆円)にのぼるといわれています。他にも「イーサリアム」や「リップル」など、世界中に700種類以上の仮想通貨が存在し、かつその種類は増え続けているそうです。
日本の現行の消費税法では、仮想通貨は、非課税として限定列挙されている有価証券や小切手等に該当しないため、課税対象になると解釈されています。また政府与党の自民党も、仮想通貨は通貨でもモノでもない「価値記録」と位置付けられており、価値記録と法定通貨やサービスの交換は消費行為にあたるので、消費税が課税されると解釈しています。

非課税化の影響の前に、仮想通貨のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。仮想通貨は、専用の電子財布「ウォレット」に預金されます。パソコン・スマートフォンを通じて自由に送金できるため、送金手数料が、金融機関の送金と比較するとわずか数円と圧倒的に安いのがメリットでしょう。
ビットコインを例にすると、ビットコインは「ブロックチェーン」と呼ばれる分散型のネットワークで動いています。金融機関やクレジットカード会社といった第三者機関を通さずに、買い手と売り手がお互いに取引内容を合意すれば、直接取引できます。このように、仲介業者を省略した取引は、これまでの煩雑な業務が効率化されてコスト削減が可能なため、手数料が安く済むというわけです。
逆に、デメリットは保有者の売買に応じて対ドル・円で価格が変動することです。そのため、仮想通貨の保有目的が投機という人も少なくありません。また、以前某仮想通貨取引所の代表が顧客から預かった資産を着服し、業務上横領の疑いで起訴されましたが、仮想通貨は犯罪の温床になる可能性があるという心配も完全には拭えません。

非課税の影響は?

それでは、仮想通貨の購入時に消費税が課されなくなると、どのような影響が考えられるのでしょうか。
もし、仮想通貨の購入が消費税非課税となると、事業者の仮想通貨にかかわる納税手続きが簡略化されます。また購入時にこれまで上乗せされていた消費税分の価格が下がることが予想されるため、仮想通貨の普及に弾みがつく可能性があります。ただ、仮想通貨は上述のとおり価格が変動するので、その変動で得た売却益に所得税がかかる点は変わりません。

仮想通貨購入時の消費税非課税化は、普及への障害の一つが解消されると評価されています。11月25日現在、1ビットコインは約84,939円で取引されていますが、今後の普及可能性と価値が変動する点を考えると、現時点ではまだ8%の消費税が課されても、今が買い時なのかもしれません。
今後、仮想通貨の税務上の取り扱いや、取引で利益が出た場合の確定申告の方法などの案件が増えていくことと思います。今から仮想通貨のことを知り、対応できるようにしておくべきでしょう。

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