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従来法からさらに充実! 「地域未来投資促進法案」とは【コラム】

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従来法からさらに充実! 「地域未来投資促進法案」とは【コラム】

2月28日、「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律案(通称:地域未来投資促進法案)」が閣議決定され、第193回通常国会に提出、今通常国会での成立を目指します。
地域による主体的かつ計画的な企業立地促進等の取り組みを支援し、地域経済の自律的発展の基盤の強化を図ることを目的に、2007年4月に成立した従来の「企業立地促進法」では、合計約6,000件が企業立地計画 、 事業高度化計画の承認を受け、地方自治体の基本計画「企業立地マニフェスト」に基づいて各種支援措置を受けました。今回改正される「地域未来投資促進法案」には、どのような背景があり、どの部分が制度改正となっているのでしょうか。

「地域未来投資促進法案」の趣旨と背景

株式会社日本投資銀行が2016年に行った「設備投資計画調査」によれば、2016年度の地域別設備投資計画は、運輸、輸送用機械、卸売・小売、化学、不動産などを中心に、北陸を除くすべての地域で増加し、全国計で11.1%増と5年連続の増加となりました。企業収益や雇用は比較的好調ではあるものの、これまで地域を支えてきた製造業などの設備投資においては、まだまだリーマンショック前のような力強さには欠けるといった課題も存在します。その一方で、観光やサービス業といった非製造業において、地域の特性を生かした成長性の高い事業への取り組みがみられています。
このような背景から、地域の特性を生かして高い付加価値を創り出し、地域で伸びゆく成長分野への促進を図るとともに、地域経済に波及効果の高い地域経済牽引事業にかかわる事業計画を承認する制度をつくり、その地域経済牽引事業を自治体が支援するために、「地域未来投資促進法案」が閣議決定されました。

「地域未来投資促進法案」の概要

 まず、主務大臣が策定する、地域における地域経済牽引事業の促進に関する国の「基本方針」に沿う形で自治体が「基本計画」を策定し、国の同意を得ます。そして、事業者などが自治体の「基本計画」に基づき、「地域経済牽引事業計画」を作成し、自治体から承認を受けることで、財政・金融面からの事業支援措置などを受けることができます。
 承認された事業計画への支援として、設備投資に対する減税(機械・装置等:40%特別償却、最大で投資額の4%の税額控除)や、地方税(固定資産税等)の減免に伴う補てんを行うほか、地方創生推進交付金(平成29年度予算案は1,000億円)の交付や、地域経済活性化支援機構(REVIC)を通じたリスクマネーの供給を促進していく方針です。
さらに、「地域未来投資促進法」では、事業者などが自治体に対し、事業に関連するデータ提供の依頼や、規制改革などを求めることを可能とする新制度が創設されました。

従来の「企業立地促進法」では、多くの新規雇用を生み出し、産業の集積に一定の成果を上げることができました。今回の「地域未来投資促進法」では、これまでのペースを上げ、施行後3年間で約2,000件の承認を見込んでいます。また、「地域未来投資促進法」を災害の復興に活用する自治体も出てきています。地域経済の活性化のカンフル剤となるか、今後の動向に注目していきたいと思います。

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