一般社団法人ペットフード協会がまとめた「平成28年 全国犬猫飼育実態調査」によると、2016年10月現在、全国の犬の推計飼育頭数は987万8000頭、猫の推計飼育頭数は984万7000頭でした。犬の飼育頭数は2012年より減少傾向にありますが、猫の飼育頭数は横ばいとのことです。また、2016年の犬の平均寿命は14.36歳、猫の平均寿命は15.04歳で、犬猫ともに前年の統計より短いですが、過去5年間の傾向では伸びているとの結果が出ました。
昨年、劣悪な環境により全国初の業務停止処分を受けた東京都内の「猫カフェ」など、最近のペットに関するニュースについて耳にする機会は結構あるかと思います。ペットショップといった動物の販売だけでなく、ペット関連のビジネスは、ますます進化しているように感じます。今回、その中のいくつかをご紹介したいと思います。
愛犬と飛行機で旅行！「ワンワンJET鹿児島 3日間の旅」
日本航空株式会社とイオンペット株式会社は、2017年1月27日から29日の2泊3日で、愛犬と一緒に機内に搭乗可能なチャーター便を利用したツアー「JALチャーター便で行く ワンちゃんとの旅 ワンワンJET鹿児島 3日間」を初めて実施しました。ツアーは飛行機の往復と宿泊以外はフリープランとなっており、料金は大人1人と愛犬1匹で148,000円（4名+愛犬1匹で1室利用の場合の1人当たりの料金）。2016年12月13日にツアーの販売を開始しましたが、即日で完売の人気ぶりでした。
肝心のツアーは、空港では専用のチェックインカウンターが設けられるほどの至れり尽くせりの内容。ほかにも愛犬との記念撮影スペースで写真撮影や、チャーター便の機内では愛犬の名入りの特製ヘッドレストカバー付の座席で愛犬用のお菓子、鹿肉、ノンアルコールワインといったお土産がメッセージカードとともに供され、大変好評だったようです。
現地到着後は専用のレンタカーで愛犬とホテルまで移動し、ホテルでは一般客とは別の専用出入口、専用フロアが設けられ、一般客とツアー客がお互いに不快な思いをせずに済むように工夫が施されていました。また、部屋では、愛犬には専用のメニューが用意され、同じ部屋で飼い主と一緒に食事を楽しみました。
ツアーの企画担当者によれば、現段階では今後、同様のツアーの実施は未定としていますが、今回の参加者からの意見を参考に、ペットと飼い主がストレスなく旅行できる企画を検討したいとのことでした。
異業種もペット市場に参入へ
昨今のペット関連市場の拡大に伴い、異業種からの参入が続いています。ペットがこれまでの「飼育する」対象から「家族」へと変化したことによるもので、飼い主はペットによりお金を掛ける傾向にあります。人間より寿命の短いペットは高齢化も早いため、それにちなんだ介護商品も発売されています。
ユニ・チャームは2016年11月1日より、加齢と共に「足腰が衰え､介護が必要になる」要介護犬のケアニーズに応え、全国の動物病院向けにペット用介護ケアシステム「ユニ・チャーム ペットPro」シリーズを新発売しました。商品ラインナップは、高齢犬の床ずれなどを防ぐ介護マット、その上に敷く悪臭や皮膚炎を防ぐデオシートの他に、おしりまわりの洗浄液や大判タイプのおしり拭きが含まれます。
矢野経済研究所によると、2016年度のペット関連市場は5年前から5.6％増の１兆4,845億円になると予測しており、実際その伸びは堅調です。愛くるしい表情や仕草でわたしたちの心を癒してくれるペット。今後、どんなペット関連ビジネスが出てくるか楽しみです。
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